コラム

    • 新年のご挨拶(平成26年)

    • 2014年01月01日2014:01:01:00:00:01
      • 青柳俊
        • 先見創意の会 代表幹事

 「先見創意の会」会員の皆様、会員以外でホームページをご覧になっている皆様、あけましておめでとうございます。
 健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 
 「先見創意の会」もホームページを開設してから10年目を迎えていますが、この間コラムニストの皆さんのお蔭で一度の欠落もなく毎週の更新が続いています。コラムニストの皆さんには深く感謝申し上げます。コラム内容も多彩でタイムリーな充実したものが多く、これから編集に取り掛かる『医療百論2014』も期待されます。
 
 自民党を中心とする安倍政権が誕生して1年が過ぎました。矢継ぎ早に放たれた政策の結果、日本全体に明るい雰囲気が醸し出されたように感じます。前政権が残した負の遺産が全て解消されたとは思いませんが、少なくとも良い方向に向かっていることは確かなようです。
 
 日本経済の回復が重要な政策目標と理解しますが、医療の分野では10数年前に経験した議論が再び持ち上がっているように思います。有識者と称するメンバー構成での各種委員会や会議に政策決定が委ねられる機会が増えており、中には10数年前と同様に我が田に水を引くような立場のメンバーも少なからず含まれています。良質で公平な医療提供に腐心している立場からは違和感を覚える議論がまかり通っています。
 
 我々は等しく「患者さんのニーズ」にいかに対応し、喜んでもらえる結果を得るかが第一と考えていますが、最近の風潮では医療を金儲けの手段と考え、「金儲け」が先に立つような事例が多く見られます。富裕層をターゲットにした医療ツーリズムや外国への医療輸出などが取りざたされていますが、果たして「命の値段には差がない」と考えている医療従事者はどのように気持ちの切り替えをするのでしょうか?全国展開する医療法人の目に余るような社会規範から逸脱した行為や法律に触れる行為なども挙げられるでしょう。
 
 医療の現場で日夜奮闘している医療従事者の暗澹たる気持ちを理解せずにはいられません。医療提供者を取り巻く環境(人も関連業者も)は経済至上主義一色で、我々はその真っ只中で仕事をしていますので、ともすれば医療提供者もその渦に巻き込まれてしまいがちになります。
 
 人の不幸で生計を立てている代表者として医師や医療関係職種が存在しています。それは、医療関係職種に強い倫理観が求められる理由でもあります。これらのことを考えなければならないことを強調したいと思います。
 
 この数年は極端な気候変動や自然災害、さらには人災ともいえる原発事故に見舞われ、その後始末に汲々としました。
 新しい年を迎えて災害からの復旧が加速し、平穏な一年になりますようにと願っています。
 
 
平成26年1月1日
「先見創意の会」代表幹事  青柳 俊

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