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  • 富と権力の集中が人類史へ及ぼす影響は、適者生存の原理よりも強力かもしれない

    2015:03:20:13:10:13
  • 2015年03月20日

アリゾナ州立大学(ASU)とケンブリッジ大学、タルトゥ大学、エストニアン・バイオセンターの科学者チームが行った研究は、4000-8000年前の男性側の血統における遺伝的多様性の劇的な減少を明らかにした。
 
これは、物質的な富の蓄積の結果である可能性が高く、対照的に、女性側の遺伝的多様性は増加していた。この男性側特有の遺伝的多様性の減少は、中期~後期石器時代に起きたということである。
 
研究では、アフリカやアンデス地方、南アジア、中近東および中央アジア、ヨーロッパ、オセアニアを含む5つの大陸・7つの地域に居住する男性456人から採取した唾液と血液サンプルを分析。とりわけ、父方の血統において受け継がれるY染色体と、母方から子孫に受け継がれるミトコンドリアについて検討した。結果、コンピュータによる統計モデリングよって、人類の遺伝的歴史における2つの極端な「ボトルネック」が明らかとなった。特筆すべきは、2回目のボトルネックは男性側の血統にだけ起きたものだった。
 
筆頭著者を務めたASUの Melissa Wilson Sayres 助教(生命科学)は次のように述べる。「生物学的な『適者生存』原理の一方で、富と権力の蓄積が、限られた数の『社会的に成功』した男性とその息子たちの繁殖の成功を助長してきたということでしょう。」
 
この研究は、学術誌『Genome Research』のオンライン版3月13日号に掲載された。
 
 
16-Mar-2015