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  • フランスにおける狂犬病の症例とその教訓

    2015:04:24:11:38:11
  • 2015年04月24日

フランスの臨床医チームが、2003年以来初となる狂犬病の症例を診断した。ヒトの狂犬病は1970年から2003年までの間にわずか20例しか症例がなく、しかも、その患者は咬まれたことに気付いていなかった。したがって、集中治療室に入ってから12日後に至るまで診断が示唆されなかったことは驚くべきことではない。この症例報告は、米国微生物学会の学術誌『Journal of Clinical Microbiology』4月8日号に掲載された。
 
患者は、15年間フランスに居住する57歳の男性で、最近、西アフリカのマリへの半年の滞在から帰国したばかりであった。
 
フランス・パリの救急医療機関 Assistance Publique Hopitaux de Paris の感染制御ユニットの責任者で、集中治療室の長を務める Christian Brun-Buisson 氏は次のように述べた。「今日、先進諸国において狂犬病は極めてまれです。今回のケースは、さまざまな他の臨床症状があっただけでなく、動物咬傷に対する明らかな曝露もありませんでした。したがって、チームの1人が狂犬病を持ち帰った可能性を示唆するまで、一通りの疾患を検査せざるを得ませんでした。」
 
「今回の症例は、尋常でない神経症状を呈し狂犬病が一般的な地域から来た患者に対して、臨床家は狂犬病の可能性を考慮すべきとのリマインダーとなり得るでしょう。介助者が感染する潜在的リスクがあるため、診断を早期に下すことが重要です。これは、狂犬病が致命的な疾患であることと同じくらい最重要事項です」(当該患者は入院後19日目に死亡した)
 
 
21-Apr-2015