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  • 戦争は医療の敵である:シリアの危機的状況

    2016:01:29:11:53:02
  • 2016年01月29日

シリア系米国人医学会(Syrian-American Medical Society)は、『Annals of the American Thoracic Society』に「戦争は医療の敵である(War is the Enemy of Health)」と題した論文を発表した。
 
この医学会は、トルコにおけるシリア難民の支援を目的に結成され、これまで4年間に200万人超の人々を支援、年間予算25万ドル規模の組織にまで拡大してきた。主として提供するのは、シリア国内の9つのICUに向けた24時間365日の遠隔医療コンサルティングである。会長を務めるのは医師の Mohammed Z. Sahloul 氏で、彼は論文の主執筆者でもある。
 
シリアの保健医療環境は大変厳しい。論文がまとめた統計によれば、次の通りである。
 
・開戦後4年間で、75,000人の市民が戦火の犠牲となり死亡した。殺された人々の25%が女性と子どもであった。
・上記の倍以上の市民が、医療資源の不足により慢性疾患や感染症で死亡した。
・レバノンにおけるシリア難民には結核罹患率の増加がみられる。2014年の英国医師会雑誌の論文によれば27%増である。
・医療に関わる労働力の約7割が国を去った。シリア最大の都市アレッポでは、約6,000人いた臨床医のうち残っているのは70人足らずである。
・戦争により、シリア人の平均寿命は20年短くなった。
 
 
論文は、印刷版に先駆けてオンライン公開されている。
 
 
22-Jan-2016