海外トピックス

  • 認知症リスクの民族・人種間格差

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  • 2016年02月26日

これまでで最大かつ最長の認知症リスクの民族間格差に関わる研究において、研究チームは同一の地理集団内での6つの民族・人種を比較、認知症発生率の有意な差異を明らかにした。
 
この研究は、米国の民族多様性を反映した大集団における認知症リスクを検討した最初の研究である。明らかになったのは、認知症発症率は黒人とアメリカおよびアラスカ先住民の間で高く、アジア系アメリカ人の間では低く、ラテン系や大平洋諸島系、白人の間では中程度であったことである。
 
研究対象期間における年間認知症発生率は、黒人が26.6/1,000、アメリカおよびアラスカ先住民が22.2/1,000、ラテン系と大平洋諸島系が19.6/1,000、白人がが19.3/1,000、アジア系が15.2/1,000であった。
 
また、累積リスクの推計値を使用し、65歳時点で認知症のない人が以降の25年間で認知症が進行する確率は、黒人で38%、アメリカおよびアラスカ先住民で35%、ラテン系で32%、白人で30%、アジア系で28%、大平洋諸島系で25%と計算されている。
 
分析の対象は、カイザーパーマネンテ北カリフォルニア支部の会員27万4,000人超である。2000年1月から2013年12月までの14年超にわたる電子カルテの記録を用いて、認知症と診断された対象者や彼らの人種および民族を識別した。診断された認知症は、アルツハイマー型、血管性認知症または非特異的認知症のいずれかであった。
 
研究を主導した Rachel Whitmer 博士は次のように述べている。
「65歳以上の全員がアジア系アメリカ人と同等の認知症進行速度だった場合、毎年19万例の認知症が予防されることになります。今回の知見は、明らかとなった格差を解消するための戦略を特定するために、生涯を通じた認知症のリスク因子を解明する必要性を示唆するものです。」
 
この研究は『Journal of the Alzheimer's Association』にオンライン公開されている。
 
 
10-Feb-2016