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  • 自殺予防に関する系統的文献レビュー

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  • 2016年09月30日

学術誌『Lancet Psychiatry』に掲載された自殺予防に関する大規模な系統的文献レビューは、自殺を減らすのに有効な手法を明らかにした。研究は、2005年から2015年にかけて公表された1,800本近くの科学論文をレビューした結果をまとめたものである。
 
主たる知見のひとつは、自殺に使用される医薬品の錠剤数を減らすなど、命を奪う方法へのアクセス制限の有効性である。橋の上などのよく知られた自殺スポットに物理的障壁を設けることも効果的である。
 
いくつかの医学的処置が特定の集団に対して有効であることも分かった。例えば、リチウムやクロザピンといった医薬品が特定の集団に有効なことである。また、抗うつ薬は75歳以上の自殺を減らすのに有効である。実際に自殺を増加させるエビデンスはないものの、子どもや若年層へのセロトニン投与は希死念慮を増大させる可能性がある(論文では、未治療の子どものうつ病もリスクとしている。うつ病の投薬治療は注意深く観察しつつ、慎重に行うべきなのかもしれない)。
 
他の戦略としては、GPや学校・職場における専門家といったゲートキーパー向けのトレーニングがある。ただし、これらは、他の自殺予防の取り組みと統合された場合のみ、有効である。自殺を試みたことのある人々へのフォローアップは、強く推奨される。
 
現在、全世界で年間80万人以上が自殺しており、その周りには、およそ30倍の自殺企図がある。今や自殺によって亡くなる人は戦争や殺人よりも多い。若年層(15-29歳)において、自殺は死因の第2位となっている。自殺予防は、喫緊の世界的課題のひとつである。
 
 
8-Jun-2016