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  • 薬物濫用と統合失調症の発症リスク

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  • 2017年01月13日

アルコールや大麻、その他の違法薬物は、その後の人生における統合失調症の発症リスクを大幅に増大させる可能性がある。2016年10月20-22日にイタリア・ミラノで開催された国際早期精神病学会の大会において発表されたリサーチが明らかにした。
 
これまで既往研究では、薬物濫用と統合失調症との潜在的な関連が指摘されていた。しかし、複数を併用して濫用したケースの調整等、方法論的な制限のため、その関連には不確実性が残存していた。
 
今回の研究では、3,133,968人の登録者からなるデンマークの全国コホートデータを分析。うち、薬物濫用とされたケースを204,505件、統合失調症と診断されたケースを21,305件、特定した。データは様々な統計手法を用いて、性別や居住地、複数併用した濫用、他の精神疾患、患者としての医薬品の濫用、精神病歴、両親の移民歴や社会経済的地位などの変数を調整して解析された。
 
結果、薬物濫用との診断があると、統合失調症の発症リスクが最大で6倍まで増大することが明らかになった。種類別では、大麻の場合は5.2倍、アルコールは3.4倍、幻覚薬は1.9倍、鎮静剤は1.7倍、アンフェタミンは1.24倍、その他の薬物の場合は2.8倍であった。
 
むろん、統合失調症を発症しやすい人が薬物濫用に走りやすいという可能性もあり、他の交絡因子が存在する可能性もある。因果関係は必ずしも定かでない。著者らは、統合失調症と薬物濫用との関係は非常に複雑であると結論付けている。
 
 
20-Oct-2016