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  • 保健医療制度の発展を拘束するIMFの融資条件

    2017:01:20:10:49:58
  • 2017年01月20日

西アフリカ諸国に対して課せられた国際通貨基金(IMF)の融資条件は、保健システムへの政府の投資を阻害し、場合によっては医療人材の国外流出をもたらしている。今般、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学、ロンドン衛生熱帯医学大学院の研究チームの調査研究が明らかにした。
 
研究では、IMFが要求する政策改革および貸出条件と西アフリカ諸国における政府の医療費支出との関係の評価を目的とし、IMF発行の一次資料を分析。IMFスタッフの報告書や政府の政策覚書等を含む資料を収集し、1995年から2014年の期間の16カ国において、融資契約に含まれる8,344件の改革事例を抽出した。
 
その結果、IMFによる“拘束力のある”(≒実施できないと融資停止)条件が追加される毎に、地域の一人当たり医療費支出が0.25%減少することが明らかになった。典型的なIMFプログラムには同様の改革事案が1年当たり25件含まれており、西アフリカの平均的な国では年間6.2%の医療支出が削減されている。
 
これらの事象は、往々にして、あらゆるマクロ経済指標の目標がIMFの条件によって設定され、医療費をターゲットにした財政赤字削減や財政再建を重視した結果である、と研究チームは論じている。
 
この研究は、学術誌『Social Science and Medicine』に掲載された。
 
 
10-Jan-2017