海外トピックス

  • 地球温暖化と糖尿病

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  • 2017年03月31日

世界的な気温上昇は、糖尿病発症者の増加に影響を与えている可能性がある。『BMJ Open Diabetes Research & Care』に掲載された研究が明らかにした。
 
この研究は、ライデン大学医療センター(オランダ)の Patrick Rensen 教授率いる研究チームが実施。褐色脂肪細胞の活動を減退させ糖代謝に負のインパクトを与えることによって、現状の2型糖尿病の増加に対しグローバルな気温上昇が果たして影響を及ぼしているのかを調査した。
 
研究では、CDCの全米糖尿病サーベイランスシステムから、1996~2009年における全米50州プラス3地域(グアム、プエルトリコ、バージン諸島)における成人の糖尿病発症率に関するデータ。また、WHOのオンラインデータベースを用い、190カ国における肥満と高空腹時血糖の発生率に関するデータ。さらには、英国イースト・アングリア大学の気候変動研究部門を通じて入手した国別の年間平均気温データについて解析した。
 
その結果、平均気温が1℃上昇すると、年齢調整後の糖尿病発症率が1,000人当たり0.314人増加することが明らかになった。また同様に、耐糖能異常(glucose intolerance)の発生率は、平均気温1℃上昇につき0.17%増加した。この関係は、肥満を考慮した上でも同じであった。論文ではこれらの知見を用いて、2015年の米国人口約3億2,200万人に対し、気温が1℃上昇すると年間10万件を超える新たな糖尿病症例が発生すると試算している。
 
ただし、これはあくまで観察研究であり、因果関係について確たる結論を導くことはできない。また、BMIに関するデータ取得に難があったため、BMIと糖尿病の発症との関連性評価に制限があった。これら研究の限界を踏まえたうえで、著者らは、今回の知見が気温と糖代謝、そしてそれらが糖尿病の発症に及ぼす影響に関わるさらなる研究が重要、と結論している。
 
 
20-Mar-2017