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  • 多国籍企業にどう課税するか

    2018:06:01:10:02:14
  • 2018年06月01日

多国籍企業にどう課税するか。ボッコーニ大学の Nicolai Foss 教授らの研究によれば、法人税(corporate tax)をゼロにして、配当と売上への課税に置き換えるのが、その最適解である。
 
本来、政府は地元の公共財の消費量に応じて多国籍企業に課税すべきだが、利益はその代理変数としては余りにお粗末である。加えて、利益はモビリティが極めて高く、価格転嫁のメカニズムを通じて、法人税率の高い場所から低い場所へ容易に移転可能である。往々にして利益への課税は、企業の地元経済への投資インセンティブを低下させ、プラスの経済波及効果をも奪ってしまう。
 
法人税の非効率性にかかるコストには、非合法な事業活動の取り締まりにかかる各国政府の膨大な監視コストや自社の事業活動を「秘密のベール」に隠すための多国籍企業の内部コストも含まれる。また、「立地と企業とが花と蝶のようにお互いを必要としている」状況があると教授らは指摘する。多国籍企業の支社・支店誘致にあたって、各地で減税措置や補助金合戦となっているワケだ。
 
唯一の策は、法人税率をゼロに引き下げ、配当と売上への課税を引き上げて、株主と消費者という多国籍企業の活動の実質的な受益者に課税することだ、と著者らは提案する。
 
 
 
 
22-MAY-2018