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  • トルストイによる声の描写

    2018:07:06:14:12:24
  • 2018年07月06日

レオ・トルストイこそ、音声(voice)を個人的、職業的、社会的な特徴として扱った最初のロシア人作家である。そう主張するのは、ヨハネス・グーテンベルク大学マインツの Oksana Bulgakowa 教授である。
 
「トルストイはロシア人作家に『聴く』ことを教え、新たなステレオタイプとなるような語彙を産み出しました」と Bulgakowa 教授は言う。「トルストイが創出した声のステレオタイプは心理描写に長け、国民的で、社会階級のステレオタイプはある小説から別の小説へと繰り返され、集団のアイデンティティを形成しています。例えば、しわがれ声(gruff voice)は、兵士、農民、芸術家といった下層階級の特徴です。多くの聴衆を前に政治家があげる声は甲高い(shrill)ものです。官憲の嫌味たらしい声(repulsive voice)や高貴な人の思いやりのある声(sympathetic voice)のステレオタイプはトルストイによってつくられたものです。」
 
 
トルストイの声の描写は、依然としてロシア文学に影響を与え続けているという。教授の主張の詳細は、著作『Voice as a Cultural Phenomenon』で読むことができる。
 
 
19-JUN-2018