海外トピックス

  • 独身者の社会的価値

    2019:03:08:11:15:02
  • 2019年03月08日

今般、ますます多くの人々が独身でいることを選択している。最新の調査によれば、米国で生まれた人々の約25%は結婚しないという。また、欧州の複数の主要都市において、1人世帯の割合がすでに50%を超えている。この現象は、中東や南米などの保守的な地域も含め、世界中に急速に広まっている。
 
しかし、独身者に対する世間のイメージとは対照的に、エルサレム・ヘブライ大学の Elyakim Kislev 教授の新刊『Happy Singlehood:The Rising Acceptance and Celebration』(カリフォルニア大学出版局)は、多くの独身者が主体的に人生を一人で生きる選択をしていることを明らかにしている。独身生活への順応と独身者たちが創り上げた社会的つながりは、結婚が創るそれよりも、孤独に対する良き緩衝材となるという。
 
 
本書では、Kislev 教授が31カ国・30万人のデータを分析し、既存統計を精査し、150の緻密なインタビューを行った結果が紹介されている。例えば、日本の男性30%、女性26%にとって、独身とは結婚へ向かう道を一時的に止めている状態ではなく、むしろそれは意識的な人生の選択、目的地であるという。また、独身者、特に長期間独身であった人々は、実際のところ結婚している同僚よりも社会的に活発で、より広範な社会とのつながりを有すると明らかにされている。
 
教授は、こうした変化の歴史基盤を指摘している。かつての家族世帯(household)は人々のサポートシステムであったが、今やそれが個人の社会的つながりにシフトしているというのである。この傾向は、個人化、都市圏における独身者の増加、ネットワーキングの技術進歩によって促進されてきた。独身者の日常における友情の役割は強まり、伝統的な家族において家族のために提供されてきたサポートは、社会的つながりにシフトしてきたという。
 
「これらの独身者は、社交的で、友人や家族との付き合いを楽しみ、他人の子育てを助け、自分で自分の面倒を見切れない人々のケアをしています。独身者を結婚していないことで責めるのではなく、社会的資産と見なす時が来ているのです」と、Kislev 教授は結論している。
 
 
11-FEB-2019