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  • 欧州の社会階級と幸福度との関係

    2019:04:19:15:39:52
  • 2019年04月19日

今般『British Journal of Sociology of Education』に掲載された研究によれば、社会階級と幸福度との関係は、恵まれない子どもたちにより多くの教育の機会を提供することで緩和できる。
 
スウェーデンにあるウメオ大学の Björn Högberg 氏らは、「欧州社会調査」(European Social Survey)のデータを用いて、計25カ国における18~29歳の約15,000人の生活満足度や幸福度を分析した。「欧州社会調査」は、2002年から2年ごとに行われている欧州全土を対象とした調査である。
 
分析の結果、予想通り、特権的な社会背景を有する若者は、不利な若者よりも自身の生活に満足していることが分かった。しかし、この格差の度合いは、欧州各国で採用されている教育政策の影響を受けていた。
 
たとえば、ストリーミング制度(※訳者註:子どもの能力に基づいて振り分けを行う教育制度)や能力に応じて成長するまで子どもをフォローする国では、社会階級による幸福度の違いは無視できる程度であった。教育費の平均が安く、大学の入学定員が大きく、大学が学びなおしの機会を与えているほど、恵まれない若者たちも幸福であった。
 
テスト結果など学業成績のみに焦点を絞った分析では不十分と Högberg 氏は指摘。より高次元で教育政策を見直すべきであり、社会階級に関わらず望む教育にアクセスできる機会を最大化するような政策設計を推奨している。
 
 
4-APR-2019