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  • 「マネーボール」のその後

    2019:04:26:09:10:39
  • 2019年04月26日

映画「マネーボール」は、貧乏球団のアスレチックスを強豪チームにまで育てた実在のゼネラルマネジャー Billy Beane 氏の活躍を描いた映画である。彼は、セイバーメトリクス、すなわち野球のデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法を用いて、偉業を成し遂げた。
 
原作を Michael Lewis 氏が著してから16年余りが経ち、今や多くのMLBチームがセイバーメトリクスを用いている。今般、トロント大学ロトマン経営大学院の Ramy Elitzur 教授らが行った研究によれば、セイバーメトリクスは低コストで強いチームをつくるのには有用だが、全員がそれを用いるとその優位性は失われる。
 
Elitzur 教授らは、1985年から2013年までの各チームの給与やプレーオフの勝敗、データ分析の活用状況、選手のチームの貢献などをデーターベース化し分析。その結果、1997年から2001年の間、セイバーメトリクスを用いたMLBチームは2チームしかなかったことを明らかにした。2002年までに追加で新しく3チームがセイバーメトリクスを採用し、2013年までには75%超のチームがそれを用いるようになった。
 
セイバーメトリクスは、「マネーボール」原作本が出版された2003年まで、チームに最強の優位性を与えた。しかし2008年頃にかけて、多くのチームがそれを採用するに至り、その比較優位性は失われた。今や、かかるデータ分析の応用はスポーツのみならず、企業や政府にも広がっている。
 
 
8-APR-2019