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  • 協力関係と社会的地位の向上

    2019:08:23:09:34:44
  • 2019年08月23日

ステータスの追及は、人間の本源的動機である。ブランド衣料の購入や忠実なる職務遂行、あからさまな慈善活動等、人は少なからず社会的地位を求めてシグナルを送る。ただし、人間同志の協力と競争は、相互排他的なものではなく、同じコインの両面である。
 
今般、リッチモンド大学の Christopher R. von Rueden 准教授とマックス・プランク進化人類学研究所の Daniel Redhead 博士は、アマゾンのチマネ族のコミュニティを観察対象とし、8年間にわたって男性の協力と地位との関係を検討した。
 
チマネ族の中では地位は非公式のものであり、コミュニティの会合中に誰が言語的影響力を有するかで明らかになる性質のものである。研究では8年間で3回、コミュニティ内の男性をランク付けし、いつも協力している男性が誰であるかを報告するよう依頼した。
 
分析の結果、地位の高い男性は時間が経つとともにより多くの協力者を獲得しており、男性は自分よりも地位の高い男性と協力することで時間の経過とともにより高い地位を得ていることが分かった。この知見は、自分より地位の高い人間と協力することで、自分の地位を高めるための貴重な情報その他のリソースを獲得できることを示唆している。
 
「地位が協力関係に依存しているとの発見は、人間社会、特にチマネ族のような小規模社会が他の霊長類に比べて比較的平等主義である理由についての洞察をくれます」と、von Rueden 准教授は言う。
 
さらに、Redhead 博士は次のように語る。「(本研究で得た知見は)人間の行動を形作るうえで、食料の共有や生産、友情、助言といった社会的相互依存関係のより広範な重要性を強調するものです。また、このような相互依存関係が、私たち人間を他の動物と一線を画す存在としているという、経験的エビデンス(empirical evidence)を提供するものです。」
 
 
6-AUG-2019