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  • ゲノム編集時代の人類の繁栄

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  • 2019年09月20日
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今般オックスフォード大学出版局が発行した『ゲノム編集時代の人類の繁栄』(Human Flourishing in an Age of Gene Editing)は、革新的技術と人間の幸福に深く関わる個人的、文化的、社会的価値との関係について、議論の先鞭をつけている。
 
編者は、ヘイスティングスセンターの Erik Parens 博士と Josephine Johnston  研究員である。ジョン・テンプルトン財団の支援を受けた3年間にわたる国際プロジェクトの成果のひとつとして発刊された。
 
編者の2人は、哲学や生命倫理、宗教学、社会学、政治学、法学、心理学の第一人者に対し、ゲノム編集がヒトの本性や人間の幸福にとって何を意味するかを検討するよう依頼した。主たる問いは以下の通り。
 
・繁栄(flourish)とは何を意味するのか。ゲノム編集はいかにして繁栄を助ける/阻むのか。
・ゲノム編集によって、健康であること(healthy)や正常であること(normal)、愛されること(loved)の意味が再定義されうるのか。
・ゲノム編集は、親と子の関係をどのように変えるのか。
・ゲノム編集は、持つ者と持たざる者の格差を拡大させうるのか。またそのリスクをいかにして回避できるか。
 
同書の目的は、序論で述べられている通り、ゲノム編集技術が提起した倫理的問題に関する世論喚起である。
 
「公の対話を通じてこそ、市民は法律や科学・医学への資金配分に影響を与えることができ、専門職のリーダーたちは科学者や患者、医師らによるゲノム編集および関連技術への理解と利活用についての枠組みを作ることができ、人々はそれぞれ自分や家族の人生についての意思決定をなすことができるのである」と、2人の編者は説く。
 
 
3-SEP-2019