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  • テストステロン曝露と認知的共感

    2019:09:27:10:36:42
  • 2019年09月27日

自閉症は、女性よりも男性の方がはるかに多い。しかし、なぜなのかはよく分かっていない。
 
「もちろん、性別によって大きな差がある場合、まず疑うべきはテストステロンです。」そう話すのは、ペンシルベニア大学ウォートンスクールの Gideon Nave 助教である。
 
しかし、Nave 助教らが行った研究では、要因の確定には至らなかった。約650人の男性を対象とした2件のランダム化比較試験からは、テストステロン投与と認知的共感(cognitive empathy:他者の感情を読み取る能力のことで、自閉症はこの能力に欠けることが特徴)との関連性を示すエビデンスを発見できなかった。
 
「既往研究のいくつかは、テストステロンと認知的共感の低下との関連を示しましたが、サンプル数が極めて少なく、直接の関係を言うのは困難です。」研究の第一著者であるウエスタン大学の Amos Nadler 博士は言う。「私たちの研究結果は、テストステロン曝露と認知的共感との間に線形の因果関係がないことを明確に示しています。」
 
また、Nave 助教は次のようにも言う。「エビデンスの欠如は、関係がないというエビデンスではないことに注意すべきです。今回、テストステロンの影響を裏付けるエビデンスはないことが分かりましたが、影響がある可能性を排除しているわけではなりません。テストステロンの影響がある場合、その効果は線形ではなく複雑形です。現実はそんなに単純でないということでしょう。」
 
この研究は、『Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences』に掲載された。
 
 
3-SEP-2019