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  • 週当たりの労働時間と心身の健康

    2019:09:27:10:38:10
  • 2019年09月27日

昨今、AIや自動化が人間から職を奪うとの言説がある一方、労働から解放された豊かな社会を夢見る人たちもいる。
 
ただ、今般発表された研究によれば、有給雇用は経済的恩恵以外の恩恵をも人々にもたらしうる。その恩恵とは、多くの場合、自尊心や社会とのつながりといった心理的なものである。
 
ケンブリッジ大学とサルフォード大学の研究チームは、2009年~2018年の間の7万人超の英国人居住者のデータを分析対象とし、労働時間と精神的健康・生活の満足度との関連を検討した。
 
分析の結果、失業や在宅での家事・育児から週8時間以内の有給労働に移行したとき、メンタルヘルス問題のリスクは平均30%程度減少することが分かった。しかし、週8時間を超えて働いたとしても、さらに心身の健康(wellbeing)が促進されるとのエビデンスは得られなかった。
 
研究チームは、「大きな違いは、有給労働者と無給労働者との間に存在する」と述べ、心身の健康へ有害な影響なしに週当たりの労働時間を大幅に短縮できると指摘する。
 
「全員が週40時間働くという伝統的モデルは、私たちにとってどれほど働くのが望ましいのかに基づくモデルではありませんでした。今回の調査によれば、マイクロジョブはフルタイムの仕事と同等の心理的利益をもたらします。」そう述べるのはケンブリッジ大学の社会学者 Senhu Wang 博士である。
 
この研究は、学術誌『Social Science and Medicine』に掲載された。
 
 
18-JUN-2019