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  • 崩壊に対処する哲学

    2020:03:20:23:19:50
  • 2020年03月20日

「崩壊」(collapse)とは、人生において誰しもが経験する事象である。それは、失職かもしれないし、病気かもしれない。親友や家族の死かもしれない。崩壊は、建物などの構造物にも起こり、大規模な崩壊は、企業やコミュニティ、文明といったシステム全体に影響を及ぼす。
 
フィレンツェ大学の物理学者 Ugo Bardi 教授は、著書『崩壊の前に:成長の向こう側へのガイド』(Before the Collapse: A Guide to the Other Side of Growth)において、さまざまな崩壊に相対するためのアプローチを提示している。教授はそれを、古代ローマの哲学者の教えに倣い「セネカ戦略」と呼称する。
 
その主題に反し、同書は必ずしも悲観的な本ではない。教授は、技術の進歩は崩壊を必ずしも防げないことを強調するが、崩壊に対処する最善の戦略は抵抗とは限らないことも強調している。崩壊後に現れる新たな条件は、旧いものよりも良いものかもしれない。セネカが言ったように「今日存在するものは過去の崩壊の結果ではない」のである。
 
同書に盛り込まれた洞察は、人生における崩壊に対処するにあたり、哲学的ガイドとなりうるだろう。それは全6章からなり、複雑なシステムの崩壊の背後にある科学、未来をモデル化するための手法を概説し、過去の事例と未来の可能性について、多くのケースを取りあげている。
 
 
12-DEC-2019