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  • ソーシャル・ディスタンスの負の側面:進化論的視点から

    2020:05:08:08:16:43
  • 2020年05月08日

危機に直面すると、人々は互いに近づきたくなる衝動に駆られる。しかし、ソーシャル・ディスタンスはこの衝動を阻害する。
 
学術誌『Current Biology』掲載のエッセイにおいて、ルートヴィヒマクシミリアン大学(LMU)の Ophelia Deroy 教授らは、このジレンマは、反社会的行動よりも大きな脅威を人類にもたらしかねないと主張する。
 
クレルモンオーヴェルニュ大学の社会心理学者 Guillaume Dezecache 氏は、次のように語る。「人々が恐怖にかられる際、求めているのは安全です。しかし現状、この衝動は私たち全員の感染リスクを高めます。これが、今回説明した根本的な進化論上の難問です。」
 
では、このジレンマからいかに脱出可能か。Deroy 教授は、インターネットの可能性に着目する。それらは物理的接触の代替手段となりうる。しかし、「どれだけうまく、はたまたどれだけの期間、ソーシャルメディアがソーシャルコンタクトのニーズを満たすことができるかは、まだ分かりません」と、教授は言う。
 
さらに教授らは、政策提案者向けに、以下の2つの提言をしている。
 
1.ソーシャル・ディスタンスが要求されるこの状況は、政治的に非常に珍しい状況というだけでなく、人間の認知能力の進化論的構造にも反するものと捉えるべきである。
 
2.今日、ネットへのフリーアクセスは言論の自由の前提条件というだけではない。現状においては、公衆衛生にも大きく貢献している。しかるべく社会的弱者への配慮をすべし。
 
 
24-APR-2020