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  • 危機の時代を生き延びるデモクラシー

    2020:05:15:00:03:31
  • 2020年05月15日

デモクラシーの長い歴史を有する民主国家は、目下のコロナ禍のような危機に直面しても、民主制崩壊のリスクは低い。しかし、デモクラシーの歴史が浅く、特に市民社会が脆弱で、政党が弱い国における民主制の見通しは危うい。
 
新刊書籍『危機の時代におけるデモクラシーの安定』(Democratic Stability in an Age of Crisis, Oxford University Press)では、オーフス大学の Jørgen Møller 教授と Svend-Erik Skaaning 教授が、戦間期を生き延びた民主制国家について論じている。
 
戦間期にあたる1918-1939年は、繰り返し深刻な経済危機に見舞われた期間であった。多くの国々で民主制が崩壊し、反デモクラシーや全体主義のイデオロギーが強くなった。そして昨今、戦間期と現代政治との類似点がよく議論されている。すなわち、かつて危機的状況がデモクラシーを弱体化させたのならば、現代においても同じような事態を招きかねないという議論である。
 
同書が、戦間期を通じて民主制を維持した国々の統計分析と事例研究とを組み合わせ、明らかにした要因は2つ。ひとつは、デモクラシーに関する長い歴史の遺産(legacy)があること。もうひとつが、活力ある市民社会と政党政治があること。すなわち、一般市民と政治エリートとの間に然るべきチャネルがあることである。
 
 
6-MAY-2020