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コラム
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(掲載日 2008.08.19)

 恋するように子育てしよう!などという本を出しているからか、最近、教育論の取材を受けることが多い。

 高校生の長男からは、偉そうなこと言う前に、家事しろよと教育的指導がとんでくるが、ことほど左様に当方日常的活動は、母親業24年目になってもまったくスキルアップせず、毎日が戦場ではある。

 今年もお盆をすぎ、ようやく夏のおわりが近くなり、夏休みがあと残りわずか。ワカランチンたちと格闘しながら、月末の国際会議の準備は一向に進まず、いまはただ、子供たちが、無事学校へと散らばってくれる日々を心待ちにしている。

 いいとこどりの父親とくらべ、母親業はしんどいものだ。思いどおりにならない子を前にして、最近はちょっと進化して技術を体得した。いわゆる恋愛技術力を使う子育て術である。

  あなたはどんな恋をしてきましたか?と、7月に出した本
「『ややこしい子』のママが元気になるための83の魔法」
の冒頭で書いたが、これは、恋愛遍歴をきいているのではなく、どうひとつの恋と向き合って、人と人との関係を結んできたか?を問うてみた。

 恋をすると、相手のことをよく観察して、相手のこころのありようだとか、嘘のつき方もだいたいわかるようになる。ひどくもめても、相手の自尊心のありかもわかるから、そこはじょうずにすり抜けながら、女のひとは、自分に有利に向かうように、瞬時に戦略を立てて、言葉や、それを載せる声のトーン、表情を選ぶ。

 だいだい人と人のコミュニケーションにおいて、その情報の中身よりもその伝達方法、そのときの双方の状態が、ものごとの結果を左右する。女のひとは、単純な男のひとよりは、賢いので(でしょ?)

 恋愛においては、たいがいイニシアチブは女の側にある。

 で、こういう生まれながらにして、もっている女のかしこさをもって、子育てをして、目指すは、三つの「し」。しなやかで、したたたかで、しぶとい、ママ。

 だいたい子供というものは思い通りにならないもので、小さいときに思いどおりになるこは、ほとんど思春期にかなりヤバイことになっている。親のいうことをきかないというエネルギーのなかには 自分として生きたいというエネルギーがいっぱい詰まっている気がする。

 なんて、思えるようになったのは、小さい時に超優等生であったこどもに、思春期にほとほと悩まされ格闘したあとでようやく学んだことである。子育てはまさに間違いだらけの自分育てではある。

 子育てをしていると、周囲のプレッシャーに押しつぶされ、母親の感情がかなりいびつなものになり、そのことが多くの社会的病理の根っこになっていることに気づかされる。

 母親の自尊感情の安定こそが次世代育成の根幹であると、先日、私は、サマーハッピープログラムとして、文部科学省の担当官たちにも出席してもらって、夏休み中のママのこどもとの過ごし方講座を開いた。

 資生堂に参加してもらい、キレイなママになりましょうというコーナーもやった。告知期間が短かったが200人以上がつめかけ、こうしたことへの取り組みが遅れていることをいまさらながら気づかされた。ほしいのは、偉そうな教育論ではない。

 今日という日をこどもとどうハッピーにすごしていくかということなのだ。母親自身が、心理的に安定することにより、たいがいの苦難は乗り越えられる。

 だから、ママのしあわせが、世界のしあわせなのだ。

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