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コラム
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(掲載日 2009.09.15)

 16日の鳩山政権誕生を前に新聞やテレビ、週刊誌は政権の先行き不透明感をこれでもかとあおる報道を続けている。やれ“小沢ガールズ”の一人が過去にヌードになっていたとか、小沢幹事長体制でやっぱり「傀儡」政権に過ぎないだとか、社民と連立して外交・安保は大丈夫なのかとか、政権運営に関係ないことから政策的な問題点まで、ネタはつきないようだ。

 組閣やその後の鳩山訪米をめぐっても、またまた、同じような報道が繰り返されるに違いない。

 衆院選で308議席という小泉純一郎氏でも得られなかった議席を獲得した“有名税”のようなものだが、読者・視聴者=有権者は先月下旬ごろからの洪水のような民主党報道にいささか飽きてきているのではないか。

 一枚も二枚も上(変?)な幸夫人とともに、一躍、時の人にまつりあげられてしまった鳩山由紀夫氏もだいぶ戸惑っているようだ。

 さすがに首相の椅子を前にして、ここ2週間の言動には十分な注意を払っているようだが、しばらくそっとして、今後の政権運営を考える時間を与えてあげてほしいと思う。

 一番、「余計なお世話」に感じるのは、「傀儡」「二重権力」批判だ。鳩山氏が小沢一郎氏を幹事長に内定し、党の人事を含めて一任してしまったせいではあるが、「二重権力」などは過去の自民党政権においても往々にしてあったことだ。三角大福中のあと、当時最大派閥を率いていた竹下登氏が首相となったが、彼が辞めたあと、自民党がどうやって首相を決めていたかを思い出してほしい。宇野、海部は竹下氏と竹下派会長・金丸信氏のご指名、そのあとの宮沢喜一氏に至っては、同派会長代行だった小沢氏の面接試験を経て誕生するという“屈辱”を味わった。

 「二重権力」や「傀儡」というのはイメージ的にはいいものではないが、問題とすべきはその政権がどういう政策遂行をするかだ。形だけリーダーシップを確立したところで、有権者の多くに認められる政策遂行ができなければ全く意味はない。

 であるにもかかわらず、政権ができる前からああでもない、こうでもないと言われるのは、大方の有権者が抱いている「漠然とした不安」を代弁したものなのかもしれない。

 しかし、そんなものを代弁するのがマスコミの使命なのだろうか?

 民主党のマニフェスト、政策集である「INDEX2009」にはいろいろな政策が網羅的に書いてある。ただ、それらを具体的にどう実現するかはこれからの検討によるものがほとんどだ。

 今、「ひょっとしたらこうなるかもしれない」と考えたところで、鳩山氏が当分の間、政権を運営するという事実が変わるわけではない。

 衆院選の結果、サイは投げられた。

 へたな心配はせずに、民主党のマニフェストと政策集を片手に鳩山氏が何をやるかをじっくりとみていきたい。批判や抵抗はそれからでも遅くはない。それが民主主義の基本原則だと思う。
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