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海外トピックス
 英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。

掲載日: 2005.07.08
欧州心臓病学会、年次総会のテーマは「女性の心血管疾患(CVD)」
 欧州心臓病学会(ESC)は9月3〜7日の5日間にわたり、定例年次総会をスウェーデンの首都ストックホルムで開く。今回の総会の焦点は女性の心血管疾患(CVD)。欧州各国の女性の心臓疾患の症例と治療の傾向についてまとめた分析データを発表するほか、心血管疾患を起こすリスクを軽減するために、生活様式をどのように改善すべきかを啓蒙する一般向けの屋外イベントなども計画している。

 総会に先駆けて、6月下旬、加盟49カ国の心臓病学者や専門医など約60人を集めた政策会議を開催した。科学データと女性が心血管疾患を起こすリスク要因の実態を照合したほか、女性の心血管疾患に関する論文の内容などについて議論した。この会議の詳細は、総会とESCの公式専門誌「European Heart Journal」を通じて発表する。

 ESC(本拠地フランス)は、欧州及び地中海周辺国の心臓病専門医45,000人が加盟する学会。ESCの総会は欧州最大規模の医学会議の一つとされ、出席者数は毎年約25,000人に上る。
First Released: 21 June 2005 @
カリフォルニア大学、「α-シヌクレイン」を減少させるワクチンを開発
 米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、アルツハイマー病などの脳障害の原因とされるタンパク質「アルファ・シヌクレイン」の脳内蓄積を防ぐワクチンを開発、ネズミを用いた動物実験で一定の成果を収めたと発表した。実験では、あらかじめアルファ・シヌクレインを過剰に蓄積するように遺伝子操作したネズミを二群に分け、一群にだけワクチンを毎月定期的に投与した。8ヵ月後、双方を比べたところ、ワクチンを投与されたネズミのアルファ・シヌクレインの蓄積レベルは47%も減少していたという。同研究チームは、ヒトに同様の効果があるかどうかについては、慎重な見方を示している。
First Published online: 15 June 2005 @
不健康な生活習慣は染色体の老化を加速
 喫煙や油っぽい食事の過剰摂取――。こうした生活習慣が心臓病や癌につながる可能性については多くが指摘しているが、英セント・トマス病院(ロンドン)の研究チームはこのほど、「長年の喫煙や肥満は染色体の加齢を加速する」との調査結果を発表した。

 調査では、18〜76才の女性約1,100人から血液を採取し、白血球の染色体を解析、テロメアの長さを調べた。テロメアは、染色体の末端部のことで、染色体の複製や安定化に必要な特殊な構造を持つことで知られる。細胞分裂を繰り返すことに短縮されるため、テロメアの長さと老化に関連性があるのではないかと注目されている。

 セント・トマス病院の研究チームはまず、年間の平均的なテロメアの短縮幅を割り出し、それを基に、肥満女性と喫煙者のテロメアの短縮がどのぐらい進んでいるかを調べた。その結果、肥満度の指標となるBMI値が30以上の「肥満」女性の場合、テロメアの長さが通常より9年分短いことが分かった。また、40年以上喫煙を続けてきたヘビースモーカーの女性の場合は、7年分短いことが分かったという。
First Published online: 13 June 2005 @
ペンシルベニア大学が、持ち歩き可能な乳がん検査機器を開発
 ペンシルベニア大学の研究グループは、持ち歩き可能な乳がん検査機器「i-Find」(仮称)を開発。米国防省主催の「乳がんリサーチ・プログラム『希望の時代』」会議(6月9〜11日、ペンシルベニア州フィラデルフィア)で発表した。「i-Find」は、近赤外線を使って血中酸素を測定することにより、乳がんの兆候や再発を発見する。乳がんの兆候をみつけると光や振動で知らせる。信頼性や正確さの点では課題が残るうえ、この機器の検査結果だけでは診断の材料にはならない。しかし、何度でも容易に検査でき、データを保存することも可能なことから、医師が継続的な経過を診たい場合などに高い利便性が期待できる。また、患者がひとりででも検査できるという点で、事前にオンラインで行なったアンケートでは高い関心を集めたという。
First Released: 9 June 2005 @
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