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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2005.09.30
バイオテロ被害者の診断・治療のオンライン研修に効果
 バイオテロリズム(生物兵器を使ったテロ)と言えば、米国では炭疽菌事件、日本ではオウム真理教信者による地下鉄サリン事件などがあったが、被害者の診断や治療を的確に行なえると胸を張って言える医師はどれだけいるだろうか。米ジョンズ・ホプキンズ大学医学部は、バイオテロの被害者を的確に診断・治療するための教育コースをインターネット上で開講。その結果、高い教育効果がみられたとして、テロの脅威への対応措置として国レベルでのオンライン教育の実施を推奨した。

 同大では、2003年7月〜2004年6月の1年間、米国内16州とワシントンDCで行なわれている30の内科研修プログラムの一環として、オンラインの教育コースを開いた。

  コースでは、細菌別に具体的な診断・治療について講習した。コース修了後、参加者631人の受講前と受講後の診断・治療テスト結果を比べたところ、平均正解率は、受講前が診断46.8%、治療25.4%だったのに対し、受講後は各々79.0%、79.1%と飛躍的に伸びたという。

 このコースを開いた同大のサラ・E・コスグローブ氏らは、「受講前のテスト結果で判明したように、生物兵器による被害者の診断や治療法について正確な知識がある医師はそれほど多くはない。米政府がバイオテロを避けられない脅威だとするならば、医師の教育も国の優先課題として考慮すべきだ」と強調した。

 同大による報告は、米国医師会会報誌「JAMA」系列の「Archives of Internal Medicine」9月26日号に掲載された。
First released 26 Sept 2005 @
左利き女性の乳がん発生率は右利き女性の2倍――蘭ユトレヒト医療センター
 オランダのユトレヒト医療センターの研究チームは、更年期前の左利き女性の乳がん発生率は右利き女性の2倍も高いとする調査報告を発表した。がん研究用に集めた女性12,000人強(1932〜1941年生まれ、データ収集開始時点で41〜53歳)の健康データから、左利きと乳がん発生率に関連性があることが判明したという。

 調査では、12,000人のデータから無作為に1,500人のデータを選出。利き手別に乳がん発生率を算出したところ、更年期前の女性の乳がん発生率は、右利きを「1」とすると左利きは「2.41」もあったという。更年期後の女性同士では、差異は認められなかった。

 左利きと右利きに分かれる理由としては、子宮にある合成女性ホルモン様物質「ジエチルスチルベストロール(DES)」が胎児の脳の側位化に影響しているとの指摘がある。また、ネズミの胎児にDESを過剰投与したところ、後に乳がんを発生したとの研究報告もある。ユトレヒト医療センターのチームは、これらのことを総合して、女性ホルモンと乳がん、左利きに何らかの関連性があるのではないかと推測している。

 同医療チームの研究報告は、英医療専門誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」に掲載された。
First published 26 sept 2005 online @
BMJ.com
歯周病予防には日光浴を−米国歯周病学会(AAP)
 米国歯周病学会(AAP)は、歯周病専門誌「the Journal of Periodontology」を通じて、カルシウムとビタミンDが不十分だと、歯周病になりやすいとして、週に2回10〜15分程度の日光浴を勧めた。

 歯周病は、プラーク中の歯周病菌が関与し、炎症反応、免疫反応を繰り返すことで、サイトカインといわれる物質が発生し、歯を支えている組織が破壊されることにより発症する。症状が進むと、歯を支える歯槽骨が減り、歯が脱落する。

 ビタミンDは日光中の紫外線による皮膚内で合成され、カルシウムを体内に運搬、吸収を助ける働きがある。また、サイトカインを抑える働きもあるとされていることから、AAPでは、歯周病の予防・治療に十分なビタミンDを得るためにも、適度に日光を浴びることが大切だとしている。
First released 21 Sept 2005 @
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