オランダのユトレヒト医療センターの研究チームは、更年期前の左利き女性の乳がん発生率は右利き女性の2倍も高いとする調査報告を発表した。がん研究用に集めた女性12,000人強(1932〜1941年生まれ、データ収集開始時点で41〜53歳)の健康データから、左利きと乳がん発生率に関連性があることが判明したという。
調査では、12,000人のデータから無作為に1,500人のデータを選出。利き手別に乳がん発生率を算出したところ、更年期前の女性の乳がん発生率は、右利きを「1」とすると左利きは「2.41」もあったという。更年期後の女性同士では、差異は認められなかった。
左利きと右利きに分かれる理由としては、子宮にある合成女性ホルモン様物質「ジエチルスチルベストロール(DES)」が胎児の脳の側位化に影響しているとの指摘がある。また、ネズミの胎児にDESを過剰投与したところ、後に乳がんを発生したとの研究報告もある。ユトレヒト医療センターのチームは、これらのことを総合して、女性ホルモンと乳がん、左利きに何らかの関連性があるのではないかと推測している。
同医療チームの研究報告は、英医療専門誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」に掲載された。
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