米ハーバード大学医学部の研究チームは、脳の摂食中枢である外側視床下部に毛様体神経栄養因子(CNTF)を注入することにより、ネズミの減量につなげることができたとする研究報告を発表した。
実験では、少量のCNTFを外側視床下部に注入したネズミと注入しないネズミにそれぞれ脂肪と糖分の高い食事を与え、5週間にわたり、体重の変化を調べた。その結果、CNTFを注入したネズミの体重は実験開始後2週間で16%減少。実験が終了するまで、リバウンドすることはなかった。
CNTFを注入したネズミの外側視床下部の細胞を調べたところ、注入されてから増殖した細胞の数は注入していないネズミの5倍もあったという。このことから、同チームでは、外側視床下部の細胞の増殖がなんらかの形で体重の減少につながることが確認されたとみている。
どのようにして体重の減少につながるかは明らかになっていないが、外側視床下部の細胞が増えることにより、食欲を調整する働きがあることで知られるレプチンに影響を与えるのではないかとの見方も一部専門家の間で出ているという。
|