英王立リューマチ性疾患専門病院(RNHRD)とバース大学は、マリファナの成分がリューマチ性関節炎患者の疼痛緩和に効果があるとの調査結果を「Rheumatology」誌のオンライン版(11月9日付)で発表した。マリファナの成分に疼痛を緩和する効果があるとは、かねて指摘されているが、公式な調査で確認されたのは、これが初めてという。
調査を実施したのは、RNHRDのデビッド・ブレーク教授とバース大学の研究チーム。調査では、リューマチ性関節炎患者31人にマリファナ成分を含む治療薬(CBM)、27人に偽薬をそれぞれ一定期間服用させ、その後、動作時および安静時における疼痛がそれぞれ緩和されたかどうか、炎症の度合い、睡眠が改善されたかどうか、疼痛の度合い、などを比較調査した。
その結果、偽薬を服用したグループに改善はほとんどみられなかったものの、CBMを服用していたグループにはすべての点において改善がみられたという。
CBMは、マリファナの2つの構成要素――(1)ネズミを使った実験で炎症抑制効果が認められた「delta-9-Tetrahydrocannabinol (THC)」と、(2)同様に炎症抑制効果と関節炎の進行を遅らせる働きがあることが認められた「cannabidiol (CBD)」――を混合させた治療薬。口内スプレーで服用する。
調査では、服用は就寝前に限るとし、1日の服用量の上限も定めた。副作用は、めまいなど軽度のものが一部でみられた程度だったという。
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