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英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。 |
掲載日: 2005.11.18 |
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米政府が11月15日に加入受付を開始した65歳以上の高齢者向け処方箋薬代給付制度「メディケア・パートD」を巡り、混乱が懸念されている。給付プランの選択肢が多岐にわたり、内容も複雑で高齢者に理解しにくいことや、給付基準に不備があるとの指摘もあるためだ。加入は任意だが、受付期限を過ぎた加入者には割増金が課されることに対する不満も出ているという。このため、期限延期を求める声もあり、スムーズな導入というわけにはいかなそうだ。
同制度は、2003年に成立したメディケア制度改革法(Medicare Prescription Drug Improvement and Modernization Act of 2003)に基づき、年明けから実施される。加入受付の締め切りは2006年5月半ば。パートDは、処方箋薬代の保険適用範囲の拡大や、民間医療保険会社の参入で需給プランの選択幅を広げることなどを通じて、受給者のコスト意識を高め、結果として医療保険の財政支出抑制につなげようとするものだ。
米イリノイ大学法学部のリチャード・L・キャプラン教授によれば、受給者は複数の保険会社が提示する40種類にも及ぶプランから選ばなければならないという。月間保険料も9.48ドル~67.88ドルと幅があり、「比較計算のために、パソコンまで持ち出さなければならないだろう」という。
同教授は、給付基準にも問題があると指摘する。同制度では、250ドルまでは全額加入者負担、251~2250ドルまでは国が75%負担、3601~5100ドルは95%の負担だが、2251~3600ドルについては、全額加入者負担となっているためだ。全額自己負担を避けるために、雇用主が負担する退職者向けの処方箋薬代給付プランに入っている人もいるが、そのプラン自体が国の補助金を得ているというケースも多く、公費負担面での矛盾がある。また、企業が「給付対象の上限5,000ドルを設定するプランに変えないという補償もない」ので、必ずしもセーフティーネットにはならないという。
また、「処方箋代薬が値上がりしたり、自分が必要とする処方箋薬がプランから除外されることが将来ないとも言えない」(キャプラン教授)。キャプラン教授は、これらのことから「加入者は混乱と不安感の中で、自分にあったプランを探し出さなければならないだろう」と述べた。
AP通信が11月10日報じたところによると、ハーバード大学医学部のアンケート調査では、同制度について、全体の7割近くがなんらかの不透明感を感じていることを示す結果(「評価していない」が37%、「制度の内容を良く知らないのでなんともいえない」が31%)となったという。
キャプラン教授の論文「メディケア医薬品給付:混乱の処方箋薬(「The Medicare Drug Benefit: A Prescription for Confusion)」は、11月中に高齢者専門国立弁護士学会(National Academy of Elder Law Attorneys)が出版する「NAELAジャーナル」に掲載される。
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First released 15 Nov 2005 @ |
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結核菌感染の診断を短期間・低コストでできる技術開発-英インペリアル・カレッジ |
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英ロンドン大学インペリアル・カレッジの研究チームは、光学顕微鏡を使って、特殊な液体につけた喀痰のミコバクテリアの増殖パターンをみるだけで、患者の結核菌感染を診断する方法を開発した。この技術を使えば検査コストは通常の15分の1から20分の1で済み、診断にかかる時間も通常の3分の1から4分の1程度に短縮されるという。
開発したのは、同カレッジのデビッド・ムーア博士。「Microscopic Observation Drug Susceptibility (MODS)」と呼ばれる技術で、通常の検査に比べて診断までの時間が1週間しかかからないうえ、検査コストも2ドル程度で済むという。さらに、発見された結核菌が特定の治療薬に対する抵抗力があるかどうかについても、既存の検査方法より短期間で確認することができるという。
世界各国では毎年、約800万人が結核感染を診断され、170万人が結核で死亡しているといわれる。同技術を使えば、短期間の診断を低コストで済ませることができるため、「開発途上国での有用性が特に高い」(英国の医療・マスコミ連携団体メディカル・フューチャーズ・グループ)との見方も出ている。
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First released 7 Nov 2005 @ |
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飲み込める「歯磨き」チューイングガムを開発-米ケンタッキー大学 |
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米ケンタッキー大学は、歯垢の原因になる細菌を攻撃する働きのあるチューイングガムを開発、テネシー州で開かれた年次医薬科学者会議で発表した。
ガムに含まれるKSLと呼ばれるたんぱく質に、細菌の細胞膜を攻撃する働きがあり、歯ブラシと歯磨き粉を使わずとも歯磨きをしたのと同じ効果があるという。また、胃に入ると酵素に分解し、消化されるので、すでに出回っている殺菌効果のあるガムやうがい薬などと違い、飲み込んでも問題がないという。
このガムは米軍兵士用に開発されたが、同大のパトリック・デルカ氏は「アウトドアで長時間活動する人にも役立つのではないだろうか」として、実用化に向け、開発を進める計画だ。
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First published online 11 Nov 2005 @  |
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