米カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)のエイズ研究所は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した一卵性双生児の間でHIVに対する免疫反応に違いがみられたとする論文を発表した。論文は「Journal of Virology」12月号に掲載された。
双子は1983年に生まれ、同じ献血者の輸血を受けて同時にHIVに感染した。その後、両者は同じ都市に居住し、ほぼ同じ生活環境の中で成長した。論文によれば、その間、両者の免疫機能が攻撃するHIVの部分は同じで、感染から17年経過した後も変わりはなかった。しかし、体内に侵入した抗原を認識するT細胞受容体(TCR)が、HIVをどのように認識し、ウイルスと相互作用するかについては、両者の間に違いがあっただけではなく、その時々でばらつきがみられたという。
これを受けてUCLAのオットー・ヤング助教授は、「同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の間で、免疫反応にばらつきがみられたということは、すべての人に効果があるワクチンを開発することが、いかに難しいかということだ」と述べた。
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