米ウェイクフォレスト大学公衆衛生学のカート・ファーバーグ教授は、世界13カ国の薬価比較調査を実施した。その結果、米国の薬価がその中でもっとも高水準にあることがわかったとし、薬価が毎年12〜15%の伸び率で上昇していることにも懸念を表明した。
薬価上昇の原因として、製薬会社が薬価を決める際に制約がないことや、特許に保護されて処方箋の価格が高止まりしていることなどを挙げ、「米国では薬価の上限が青天上だ」と強調した。薬価を抑えるためには、他の国で実施されている薬価抑制策や薬価の制定規準が役立つとして、日本やオーストラリア、ドイツ、英国の例などを挙げた。
同教授は、後発医薬品の利用を促すことや、他の国で適用されている薬価制定規準などの導入により、「薬剤支出は現在の3〜5割は抑えられるはずだ」とみている。「製薬会社が主張するように薬価抑制が医薬品の開発を阻害することにはつながらない。他の国の事例を見習うことで、医療の質を落とさずに、コストを抑えることができるはずだ」と強調した。
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