先見創意の会
MENU
SSネット勉強会
<< トップへ戻る 海外トピックスバックナンバー一覧へ >>
海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.01.13
青少年のスノーモービル事故に警鐘−米メイヨ・クリニック
 日本でも冬のスポーツとして人気のあるスノーモービルだが、米メイヨ・クリニックがこのほど出した調査報告によると、米国では、ここ10年でスノーモービルによる10代の青少年の事故が急増、負傷が重度化しているという。

 スノーモービルでの走行に適していない場所での運転やスピードの出し過ぎが原因で、座席から放り出されたり、障害物に衝突するなどの事故が目立つという。また、負傷者の多くはヘルメットを着用していなかったという。

 同クリニックでは、スノーモービルの事故が原因で、長期にわたる障害を負う人が増えれば、そのための治療コストは増える一方であるとして、乗車に年齢制限を設けたり、安全運転の指導を徹底する必要性を強調。同クリニックの外科医師スコット・ジエトロウ氏は「ヘルメットを必ず着用させ、スピードを抑えさせること。そして、16歳以下の子供に運転させるべきではない」と訴えた。
First released 9 Jan 2006 @
アルコール依存症と味覚受容体の遺伝子に関連性
 米ワシントン大学スクール・オブ・メディシンの研究チームは、苦味の味覚受容体の遺伝子が、アルコール依存症と関係がある可能性があるとする研究報告を発表した。

  同チームは過去に、「TAS2R16」と呼ばれる苦味の味覚受容体に関連する第7染色体とアルコール依存症に関連性があるとの研究報告を出している。今回は、家族の3人以上がアルコール依存症という262世帯全員からDNAサンプルを採取し、第7染色体のどの型を持つ人がアルコール依存症になるリスクが高いかを調べた。その結果、アルコール依存症になるリスクを高める可能性のある型を特定できたという。

 調査を率いたアリソン・M・ゴーテ氏によれば、この型の第7染色体を持つ人は、ほかの人ほど苦味を敏感に感じない傾向にあったという。調査の対象となった人の間では、この型は、アフリカ系アメリカ人の間で多く見られ、白人には少なかった。ゴーテ教授は「この結果は、特定の人々の間でアルコール依存症が多いということではない。アルコール依存症を起こすリスクを高める遺伝的、環境的要因の1つが分かったということだ」と述べた。
First released 9 Jan 2006 @
シュタイナー・スクールの子供に少ないアレルギー
 アントロポゾフィー医学と呼ばれる医療の考え方に基づく生活様式を通じて、子供のアレルギーを緩和できる可能性がある、とする調査報告が、米「Journal of Allergy & Clinical Immunology (JACI)」1月号に掲載された。

 アントロポゾフィー医学とは、従来の自然科学的な医学を土台とし、さらに精神科学的な観点から人間や自然を考察し、認識を深める事によって医療を展開しようとするもの。オーストリア人の科学・哲学者、ルドルフ・シュタイナーが創始した。

 調査は、ドイツ、オーストリア、スイス、スウェーデン、オランダの欧州5カ国で、アントロポゾフィー医学を実践するシュタイナー・スクールの子供(5〜13才)6,600人を対象に実施。子供の健康管理や病歴などについて親のアンケート調査を行い、子供の血液を採取して、周辺の一般校に通う子供と比べた。その結果、シュタイナー・スクールに通う子供の間では、鼻結膜炎、アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー症状やこれらのアレルギーがあると診断されたケースが一般校より少なかったという。

 調査チームは、アントロポゾフィー医学では、抗生物質や解熱剤の使用を制限しており、これがアレルギーを起こさないで済む理由ではないかと指摘している。
<関連サイト>
・「Journal of Allergy & Clinical Immunology (JACI)」:http://www.jacionline.org/
First released 10 Jan 2006 @
(C)2005-2006 shin-senken-soui no kai all rights reserved.