米イリノイ大学の数学者、ジュリアン・パルモア教授は、鳥インフルエンザ感染が拡大した場合の影響は、国際的な安全保障上も問題となり得るとする論文を軍事専門誌「Defense & Security Analysis(防衛・安全保障分析)」に寄稿した。
パルモア教授は「鳥インフルエンザは、すでに、鶏肉産業を直撃し、その国の経済に甚大な被害を与えることがわかっている。しかも、感染は、渡り鳥のルートを通じて広がると指摘されており、被害は広域にわたる可能性が高い。加えて、ヒトからヒトへの感染が現実のものとなれば、その影響は核戦争を除く、すべての戦争以上に甚大で長期にわたるだろう」と強調した。
また、「国際的なテロの脅威に目を向けている間にも、鳥インフルエンザ感染を抑止する対策を怠ってはならない。津波のような自然災害であっても、どれだけ長期にわたり大きな影響を与えたかを考えれば、鳥インフルエンザで蒙る被害の規模が大きいことは想像に難くない」として、各国政府や当局関係者に対し、鳥インフルエンザの流行を早期にとらえ、警告する体制強化の必要性を訴えた。
パルモア教授は3月に、英国ウエスト・サセックスで開かれる鳥インフルエンザ対策の国際会議に出席し、同様の警告を発する計画。
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