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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.03.24
定期的な運動が更年期障害の軽減に効果―スペイン・グラナダ大学
 スペインのグラナダ大学の研究グループは、定期的な運動が女性の更年期障害の症状軽減につながるとする実験報告を発表した。

 実験では、平均年齢60歳強の女性を2つのグループ(ぞれぞれ24人)に分け、一方のグループには、1年間、毎週定期的に合計3時間の運動セッションを受けてもらい、もう一方のグループには通常の生活を継続させた。実験対象となった女性の6割が10年以上前から更年期の症状を起こしており、76%がBMI値で肥満と診断されていた。

 1年後に実験前の症状を比較したところ、運動グループでは、重度の症状のある女性は実験前の50%から37%に減少。運動をしなかったグループでは、実験前の58%から67%に増えていた。社会的健康感(specialist social well-being scale) でも、運動を続けたグループの健康感レベルが2.86と実験前(2.80)に比べて上昇したのに対し、運動しなかったグループは2.91から2.16に低下した。

 これらの結果から、カルメン・ビラベルドグティレズ教授は「定期的な運動が更年期障害の症状軽減に役立つことがわかった。女性の健康や生活の質の向上にもつながるもので、運動プログラムは、更年期障害の女性を対象としたプライマリケアの一環として勧めても良いのではないだろうか」と述べた。

 実験報告の詳細は『Journal of Advanced Nursing』に掲載された。
First released 22 March 2006 @
脳と手足の動きの関係−豪研究所
 オーストラリアのプリンス・オブ・ウェールズ医療研究所は、脳が手足の位置や動きを感知・認識する際には、手足の組織に含まれるセンサーが脳に向かって発するシグナルだけでなく、脳から筋肉に向って発するシグナルも使っていることが確認できた、とする実験結果を発表した。

 実験対象者を自分の右腕を見ることができない状態に置き、その右腕に圧力をかけて一時的に麻痺状態にした前と後とで、腕の位置を正確に答えることができるかどうかを調べた。その結果、実験対象者は腕に圧力をかける前は、腕の位置を正確に把握していたものの、圧力をかけた後は、腕を動かされても気付かなかったばかりか、自分で腕を動かしてもいないのに自在に動かすことができていると思い込んでいたという。

 手足の組織に含まれるセンサーが脳に向かって発するシグナルについては、広く確認されているが、今回、脳は自ら発するシグナルをどのぐらい強く感知するかで、手足の位置や動きを予測している可能性があることが示されたことで、研究グループでは、「手足を切断された人がなぜ、手足があるように感じてしまうのかを詳しく探る手がかりになるかもしれない」(ジャネット・テイラー博士)としている。
First released 22 March 2006 @
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