スペインのグラナダ大学の研究グループは、定期的な運動が女性の更年期障害の症状軽減につながるとする実験報告を発表した。
実験では、平均年齢60歳強の女性を2つのグループ(ぞれぞれ24人)に分け、一方のグループには、1年間、毎週定期的に合計3時間の運動セッションを受けてもらい、もう一方のグループには通常の生活を継続させた。実験対象となった女性の6割が10年以上前から更年期の症状を起こしており、76%がBMI値で肥満と診断されていた。
1年後に実験前の症状を比較したところ、運動グループでは、重度の症状のある女性は実験前の50%から37%に減少。運動をしなかったグループでは、実験前の58%から67%に増えていた。社会的健康感(specialist social well-being scale) でも、運動を続けたグループの健康感レベルが2.86と実験前(2.80)に比べて上昇したのに対し、運動しなかったグループは2.91から2.16に低下した。
これらの結果から、カルメン・ビラベルドグティレズ教授は「定期的な運動が更年期障害の症状軽減に役立つことがわかった。女性の健康や生活の質の向上にもつながるもので、運動プログラムは、更年期障害の女性を対象としたプライマリケアの一環として勧めても良いのではないだろうか」と述べた。
実験報告の詳細は『Journal of Advanced Nursing』に掲載された。
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