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英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。 |
掲載日: 2006.04.28 |
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米ピッツバーグ大学の精神科学者、ソウル・シフマン教授は、ニコチンパッチを使って禁煙しようとする場合、たとえ途中で耐え切れずにタバコを吸ってしまったとしても諦めずにパッチを使い続けることに効果がある、とする調査結果を発表する。論文は5月2日付の『the Journal of Consulting and Clinical Psychology』に掲載される予定。
論文のタイトルは「喫煙停止までの里程標分析:成人喫煙者のニコチンパッチ試用の実例 (Analyzing Milestones in Smoking Cessation: Illustration in a Nicotine Patch Trial in Adult Smokers)」。調査対象は324人の喫煙者。市販されているパッチよりニコチン濃度の強いパッチを与えたグループとニコチン成分を含まない偽パッチを与えたグループで禁煙を継続できる確率を比べた。対象者には全員、いつタバコを吸いたくなったか、途中で、いつ、何本タバコを吸ったかを記録させた。
その結果、途中で耐え切れずにタバコを吸ってしまった後もニコチン濃度の高いパッチを使い続けた人は、そうでない人に比べて、禁煙を中断する確率が4~6倍も低かったことが分かったという。
禁煙の途中で1本でもタバコを吸ってしまうと、「禁煙に失敗した」とみなされることが多いが、シフマン教授は「禁煙中にタバコを吸ってしまったとしても、パッチを使い続けること。諦めずに続けることが、完全な禁煙につながる」と強調した。
この調査結果については、中毒患者の治療には段階別に異なる方法が必要だという事例として参考になるとの見方もある。
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First relaesed 25 Apr 2006 @ |
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カナダのブリティッシュ・コロンビア癌研究センターの研究者は、生体組織に光を当てると生じる蛍光色で、口内にできた爛れなどの部位の細胞が悪性腫瘍になるものかどうかを見分ける携帯型識別装置「VELScope」を開発した。もともと口内ガンは目視による早期発見率が高いとされるが、「この装置を使えば、見ただけで判断がつきにくいものでも、その場で、ほぼ確実に見分けることができる」としている。
装置は、光を照射する装置と接眼レンズを組み合わせたもので、軽量で持ち運び可能なサイズ。健常な口内組織は青い光を照射している間、薄い緑色の蛍光色を発し、腫瘍細胞は濃い緑色から黒の蛍光色を発するとされる。VELScopeを使えば、医師は確認したい部位に光を照射しながら、接眼レンズを通して組織が発する蛍光色を容易に確認することができるという。
実験で、44人から50部位の口内組織を調べた。その結果を同じ組織の生体組織検査とつき合わせたところ、ほぼ100%の確率で前癌病変とされる食道粘膜の異形成やがんを確認できたという。
開発を率いたミリアム・ロジン博士は現在、VELScopeで肺がんと頸部がんを識別できるかどうかも調査中という。蛍光色の違いが具体的に何を示すものなのかについても、さらに詳しく調べる計画だ。
VELScopeの開発には、米国立歯科・頭蓋顔面研究所(NIDCR)の支援も得た。
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First released 10 Apr 2006 @ |
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