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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.05.12
カモミール・ティーと抗凝固剤の併用に注意
 カナダのマッギル大学医療センター(MUHC)は、ハーブの一種であるカモミールが、血液抗凝固剤「ワルファリンカリウム(ワーファリン)の作用を過剰に促し、内出血を起こしたケースがあったとの報告書を発表した。報告書はカナダ医師会報に掲載された。

 それによると、心臓に人工弁をつけた70歳の女性が、カモミール・ティーを飲み、カモミール成分を含む化粧ローションを使用したところ、内出血を起こし、同医療センターに入院したという。この女性は普段から「ワーファリン」を服用していた。ワーファリンの成分にはカモミール成分も含まれており、同成分を含む飲料や化粧品の使用により、抗凝固剤としての効果を過剰に促進したとみられる。

 MUHCでは、「ワーファリンを服用している患者がニンニク、玉ねぎ、生姜を避けたほうがよいことは知られている。カモミールでこのようなケースが出たのは珍しいが、ハーブを使った代替医療と処方箋の併用には、リスクが潜在している場合があるということだ」として注意を呼びかけた。
First released 27 Apr 2006 @
地中海料理が米国人のアルツハイマー予防に−米コロンビア大
 アルツハイマー予防には、肉や乳製品を減らして、代わりに果物、野菜、シリアル、魚、そしてワインなど地中海の食材中心の食生活を――。米コロンビア大学の研究チームがニューヨーク市在住の米国人2,258人を対象に食生活とアルツハイマーをおこす確率の相関関係調査を実施した。その結果、地中海料理に使われる食材を継続的に摂取している人ほど、アルツハイマーが進行するリスクが低いことが判明したという。

 調査期間は約4年。対象者には、この間、痴呆の症状の発生の有無を確認するための検査を1年半おきに受けてもらった。同時に普段の食生活のなかで、地中海料理で使われる食材をどのぐらい摂取しているかについてアンケートを実施した。調査期間中にアルツハイマーと診断されたのは全対象者のうち262人。

 地中海料理に使われる食材の摂取量や頻度は、多いほど数値が高くなる0〜9の指数で示した。この指数とアルツハイマーをおこす確率を比べたところ、指数が7〜9と高水準の人は、指数が1,2などの低水準の人に比べて約40%もアルツハイマーをおこす確率が低いことがわかったという。

 この相関関係は、対象者の年齢、民族、教育、カロリー摂取量、BMI値、喫煙の有無などの影響を加味しても変わらなかった。

 この結果から研究チームは「地中海料理中心の食事の継続は、(米国人にとって)アルツハイマーの予防効果があるようだ。地中海料理が健康を維持するために有益であることは知られているが、神経系の疾患に対する効果についても注目されそうだ」と指摘している。

 この調査結果は「Mediterranean Diet and risk of Alzheimer's disease」のタイトルで「Annals of Neurology」(4月号)に掲載された。
First released 18 Apr 2006 @
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