アルツハイマー予防には、肉や乳製品を減らして、代わりに果物、野菜、シリアル、魚、そしてワインなど地中海の食材中心の食生活を――。米コロンビア大学の研究チームがニューヨーク市在住の米国人2,258人を対象に食生活とアルツハイマーをおこす確率の相関関係調査を実施した。その結果、地中海料理に使われる食材を継続的に摂取している人ほど、アルツハイマーが進行するリスクが低いことが判明したという。
調査期間は約4年。対象者には、この間、痴呆の症状の発生の有無を確認するための検査を1年半おきに受けてもらった。同時に普段の食生活のなかで、地中海料理で使われる食材をどのぐらい摂取しているかについてアンケートを実施した。調査期間中にアルツハイマーと診断されたのは全対象者のうち262人。
地中海料理に使われる食材の摂取量や頻度は、多いほど数値が高くなる0〜9の指数で示した。この指数とアルツハイマーをおこす確率を比べたところ、指数が7〜9と高水準の人は、指数が1,2などの低水準の人に比べて約40%もアルツハイマーをおこす確率が低いことがわかったという。
この相関関係は、対象者の年齢、民族、教育、カロリー摂取量、BMI値、喫煙の有無などの影響を加味しても変わらなかった。
この結果から研究チームは「地中海料理中心の食事の継続は、(米国人にとって)アルツハイマーの予防効果があるようだ。地中海料理が健康を維持するために有益であることは知られているが、神経系の疾患に対する効果についても注目されそうだ」と指摘している。
この調査結果は「Mediterranean Diet and risk of Alzheimer's disease」のタイトルで「Annals of Neurology」(4月号)に掲載された。
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