先見創意の会
MENU
SSネット勉強会
<< トップへ戻る 海外トピックスバックナンバー一覧へ >>
海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.07.21
言語、視空間認知に使う脳の部位に男女差
 米ケネディ・クリーガー研究所の研究者らは、言語の理解や表出に関連する動作や、視覚による判断に応じた動作で使う脳の部位に男女間で顕著な違いがみられたとする研究論文を発表した。

 30人の成人男女(全員右利き、経歴、作業能力等において同等の能力があることを確認済み)を対象に、押しボタン回答方式の言語及び視空間認知能力テストを行い、それぞれのテスト中の脳の反応を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べた。テストでは、回答によって押しボタンを押す人差し指を左右で使い分けてもらった。その結果、言語能力テストでは下前頭回の反応、視空間認知テストでは、前頭葉の反応にはっきりした男女差がみられたという。

 研究を率いたローリー・カッティング博士とエイミー・クレメンツ氏は「同じ精度とスピードで作業をこなすのに、脳のどの部位を使うかで男女差があることがわかった」とし、「研究結果を発達障害の治療法を開発男子のほうが注意欠陥・多動性障害(ADHD)の発症率が高い理由や、性別による嗜好の違いや学習能力の差などが発達性のものなのか、社会学的な背景によるものなのか、ホルモンによるものなのかを調べる上でも役立つだろう。また男女別の教育方法や、発達障害の治療法の開発などに役立てることができるかもしれない」とみている。
First released 18 July 2006 @
小児のHIV感染者の日和見感染症が減少
 多剤併用療法(HAART)により、米国では、HIV感染の小児および青少年が肺炎や結核などエイズ関連の日和見感染症(Opportunistic infections:免疫能の低下した人にだけ発症する感染症)を起こす確率が大幅に減少した。このことを示す研究論文を米ハーバード大学公衆衛生大学院とボストン大学の研究者らが発表した。

 比較したのは、2001年9月〜2004年12月にHIV感染者として登録された2,767人の小児と青少年と、HAART普及前の1988年10月〜1998年8月に13の小児エイズ臨床試験グループ(PACTG)で登録された3,331人の小児と青少年が日和見感染症を発症する確率。HIV感染に伴う主な日和見感染症としては、細菌性肺炎、帯状疱疹、皮膚糸状菌感染、口腔カンジダ症などがある。

 HAART普及前に登録された感染者の間で、細菌性肺炎を起こす確率は、100人中11.1人、菌血症は3.3人、帯状疱疹は2.9人、口腔カンジダ細菌性肺炎1.2人、肺炎は0.2人。これに対し、普及後に登録された感染者の間では、細菌性肺炎を起こす確率は2.15人、帯状疱疹は1.11人、皮膚糸状菌感染は0.88人、口腔カンジダ細菌性肺炎は0.93人だったという。

 この研究論文は米国医師会報(JAMA)の7月19日号に掲載された。
First released 18 July 2006 @
(C)2005-2006 shin-senken-soui no kai all rights reserved.