多剤併用療法(HAART)により、米国では、HIV感染の小児および青少年が肺炎や結核などエイズ関連の日和見感染症(Opportunistic infections:免疫能の低下した人にだけ発症する感染症)を起こす確率が大幅に減少した。このことを示す研究論文を米ハーバード大学公衆衛生大学院とボストン大学の研究者らが発表した。
比較したのは、2001年9月〜2004年12月にHIV感染者として登録された2,767人の小児と青少年と、HAART普及前の1988年10月〜1998年8月に13の小児エイズ臨床試験グループ(PACTG)で登録された3,331人の小児と青少年が日和見感染症を発症する確率。HIV感染に伴う主な日和見感染症としては、細菌性肺炎、帯状疱疹、皮膚糸状菌感染、口腔カンジダ症などがある。
HAART普及前に登録された感染者の間で、細菌性肺炎を起こす確率は、100人中11.1人、菌血症は3.3人、帯状疱疹は2.9人、口腔カンジダ細菌性肺炎1.2人、肺炎は0.2人。これに対し、普及後に登録された感染者の間では、細菌性肺炎を起こす確率は2.15人、帯状疱疹は1.11人、皮膚糸状菌感染は0.88人、口腔カンジダ細菌性肺炎は0.93人だったという。
この研究論文は米国医師会報(JAMA)の7月19日号に掲載された。
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