英マンチェスター大学の研究チームは、睡眠中に乳児が突然死する乳児突然死症候群(SIDS)の原因となる2つの遺伝子を特定した。同大では、5年前に「インターロイキン-10」の変異体がSIDSの要因になることを指摘している。新たに特定した遺伝子の変異体と、このインターロイキン-10の変異体をすべて持つ乳児は、他の乳児に比べて最大14倍もの確率でSIDSを起こしやすい、としている。
特定した2つの遺伝子は「インターロイキン-6」と「VEGF遺伝子」。同大の研究結果によれば、これらの遺伝子の変異体がバクテリア感染の際に過度な炎症を招く原因となり、乳児の突然死につながるという。また、VEGF遺伝子の変異体の場合、肺の発達障害の要因になる可能性もあると指摘している。
同大では、5年前に英ランカスター大学との共同研究で「インターロイキン-10」が生後1年以内の乳児が免疫を持たない微生物との関係を調べ、同遺伝子の変異体が原因でSIDSを起こすリスクが高くなることを認めた。
研究を率いた微生物学者、デビッド・ドラッカー博士は「今回の研究により、SIDSの要因についてさらに理解を深めることが出来た」として、「研究結果は、SIDSのリスクが高い乳児に絞った医療や社会面でのケアを行なうために役立つだろう」と述べた。
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