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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.09.15
エアロビクスが男性の結腸癌予防に効果
 米フレッド・ハチンソン癌研究センターは、エアロビクス程度の激しい運動を定期的に行なう男性は、運動をあまりしない男性に比べて、結腸癌になるリスクが少ない、とする研究結果を発表した。ある程度激しい運動を継続することにより、癌やポリープの発生の原因となる腸腺の細胞増殖が抑えられる効果が認められたと言う。

 研究は、シアトル近郊の住民202人(40〜75才の健康な男女、過去3年内に大腸内視鏡検査を受け、結腸癌がなかったことを確認)を対象に実施。このうち無作為に選んだ半数(101人)に1年にわたり、1週間に約6回、1日1時間のエアロビクス運動をすることを目標に定期的な運動を義務付けた(達成率は、101人中8割につき、平均80%)。

 この研究に入る前と、1年後の終了時に、対象者全員のS状結腸検査を行い、結果を比較した。その結果、1週間に平均4時間以上の運動時間をしていた男性の腸腺中の細胞増殖が研究に入る前に比べて大幅に減少していたと言う。また、運動時間が長い男性ほど、減少率は高かった。これに対し、運動をしなかったり、たまにしか運動をしなかった男性の細胞増殖の水準に変化はなかった。

 一方、女性には、同様の効果はみられなかった。これについて同センターでは、「激しい運動が、結腸を保護する女性ホルモンの働きを抑えたり、運動量が男性ほどではないからではないか」としている。
First released 12 Sept 2006 @
人工股関節置換術後の消炎鎮痛薬使用リスク−豪研究所
 オーストラリアのジョージ国際健康研究所は、オーストラリア及びニュージーランドの整形外科センターと共同で、人工股関節置換術後に消炎鎮痛薬の使用を漫然と続けるだけでは、十分な効果が見られないだけではなく、消化管出血などの合併症を引き起こす可能性もある、とする研究結果を発表した。

 整形外科医は、手術直後の異所性骨化予防や疼痛コントロールのために、消炎鎮痛薬を処方する場合が多い。異所性骨化とは、手術後の股関節周囲の軟部組織に異常な骨形成を来たすことで、人工股関節手術後の患者の約3分の1に発生していると言われている。

 研究では、オーストラリア及びニュージーランドの20の整形外科手術センターの患者900人強を消炎鎮痛薬のイブプロフェンを術直後2週間にわたって使用するグループ(約450人)と使用しないグループ(同)に分け、イブプロフェンの効果やリスクの可能性を調べた。

 調査では、イブプロフェンを使用した場合、半年後、あるいは1年後の異所性骨化は大幅に減少したことが確認された。しかし、使用していない場合と比べて、疼痛や身体的な障害に対する効果がそれほどなく、消化管出血などの合併症が増えたことも判明したという。

 研究責任者のフランセン博士は「今回の結果から言えるのは、人工股関節置換術後に漫然と消炎鎮痛薬を使用するべきではないということだ。臨床上、必要性があると判断されたものではなく、根拠もなしに整形外科の手術後に消炎鎮痛薬を使用すると、効果があるどころか、患者に害を与える可能性がある」と警告した。

 この研究結果は、『the British Medical Journal』に掲載された。
First released 10 Sept 2006 @
ハーブ療法シンポジウム開催−米ペンシルベニア大
 米ペンシルベニア大学は同大医学部、看護学部、同大傘下のモリス森林公園を通じて、9月19〜20日、ハーブ療法に関するシンポジウムを開催する。ハーブ療法の専門家および、有識者、医療関係者などを講演者として招き、ハーブ療法の歴史や効果、科学的見地に基づく適切な利用方法について解説する。副作用や従来の医薬品との併用に関連した注意事項なども指摘し、一般の注意を喚起するとともに、適切なハーブ療法の使い方について意見交換する予定。

 同大によれば、米国ではハーブ療法を利用する人が増加傾向にあるという。しかし、専門の訓練を受けた医師や看護師などの医療関係者は少なく、患者が、その効果やリスクについて質問しても答えを得られないケースがほとんどとされる。患者側も、ハーブ療法に副作用の可能性があることを認識していない場合が多い。

 同大では、特に医薬品との併用で、副作用のリスクが高まる可能性があることに対する一般の認識が薄いことに懸念を示しており、アーサー・ルーベンスタイン博士は、「(シンポジウムが)科学的にハーブ療法の長所・短所を明らかにする良い機会になることを期待している」と述べた。
First released 10 Sept 2006 @
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