新年のご挨拶 2021年
コラム
「先見創意の会」会員の皆様またホームページにアクセスされている皆様、明けましておめでとうございます。静かな・巣ごもりの新年をお迎えのことと思います。
「先見創意の会」もホームページを開設してから17年目に入りましたが、皆様のご尽力のお陰で一度の欠落もなく毎週の更新を継続しています。コラムニストの皆様には深く感謝申し上げます。
また、昨年9月には任意組織であった「先見創意の会」を法人化し、一般社団法人「先見創意の会」としました。この機会をとらえホームページを一新するとともにコンテンツの充実を図る目的で「医療と法」のセクションを加え活動の発展と次世代への継承を可能にしました。今後とも一層の支援をよろしくお願いします。
昨年は投稿数の大部分を占めるほど「新型コロナ」関連のコラムが示すとおりに1年間の課題・話題の中心になりました。世界的な社会活動・経済活動の縮小が著しく、医療界においても医療現場の混乱が進行したまま新年を迎えてしまいました。
当初、新型コロナウイルスの性状が明確でなく手探りの中で試行錯誤の感染症対策でした。第一波、第二波の経験を踏まえ冬季に向けて最善の対応を期待しましたが、予想以上の第三波を迎え、右往左往の状態を繰り返しています。「狡猾なウイルス」のため不顕性感染者(無症状の感染者)が多く、3蜜の回避が困難な医療機関や介護施設での発生は避けられていません。各施設での有効・十分な感染防止策を含む危機管理体制がとられていないようで感染拡大を防ぐことが出来ない医療機関や介護施設が各地で見られます。本来であれば第三波発生を予測し、今までの知見を参考にして拡大防止策を講ずるとともに地域における医療提供体制の再構築を進めておくべきでしたが、無策に終わったようで非常に残念です。
既に、我が国を含め世界各国で数多くの知見やデータが報告されている筈ですので、それぞれの分野の専門家が総まとめしなければならない時期を迎えていると思います。新型コロナウイルスのウイルス学的性状、疫学的な調査結果、病態生理、各種検査異常、多彩な臨床症状、治療・予防方法、予後(後遺症を含む)などを信頼できる科学的根拠に基いてまとめることが必須です。これらの情報を基に効果的で確実性のある新型コロナウイルスの予防や治療などの感染症対策が可能になると考えます。
今年一年、立ち込め続けた暗雲を払いのけるような状況が生まれることを期待したいと思います。
青柳 俊