コロナ日記
外岡立人 元小樽市保健所長、医学博士
一昨年末から、筆者は武漢発生の新型コロナを追っていた。
毎日数時間かけて世界の情報を収集し、それをウエブ上で日記としてまとめる。
筆者が後からこの新型コロナを振り返るときに、いつでも、そのときに考えた筆者の浅はかな仮説と共に、国の未熟な対策にも触れることができる。
新型コロナの情報は入手が非常に難しかった。
新型コロナ発生地である武漢での状況も、中国から十分伝えられていなかった。
新型インフルや鳥インフル、さらにはMERS等は、中国国営通信も情報を発信したし、米国のタイムズやポストからも情報は多く出ていた。
新型コロナの場合、発生地が中国であったことから、中国政府の情報に透明性が無かったことも問題ではあった。
発生源が武漢であることが最後まで気になった。
武漢に国際的レベルのウイルス研究センターがあったからだ。
2009年に発生した新型インフルの際も、オーストラリアの研究者がWHOに、遺伝子構造を分析したなら、このウイルスが人為的に改造されたウイルスである可能性が高いと報告した経緯があった。
WHOは世界の専門家達にウイルスの遺伝子構造を調べて、人為的作成ウイルスの可能性があるかどうかを尋ねた。専門家達からの回答はノーであったらしいが、それでも人為的に改造された疑いを持つ専門家も少なからずいたようだ。
新型コロナの国内外の状況を日記として書き綴るのは容易ではなかった。それは情報源が少ないということもあるが、新聞を含むメディアが勝手なことを書きまくるから、社会は事実を理解出来ないままに、新型コロナウイルスと言う病原体、そしてそれが引き起こす感染症を曇天の空に太陽を見るがごとく、曖昧にしか理解出来ていなかった。
新型インフルの際も同様であった。毎日ウエブ上でまとめる状況は、最終的に原稿用紙2000枚は軽く超える分量になっていた。WHOは最初の判断で大きなミスを犯していた。日本政府も判断ミスの連続だった。
パンデミックとは何なのか、それを宣言したWHOもよく分かっていなかったし、日本には信頼に足る専門家の数も少なかったのだ。
優秀なウイルス学者はいるが、みんな新知見を探すことばかり熱心で、それを世界的医学雑誌に掲載することが生きている目的となっている。
パンデミックは言うまでもなく怖い。
自然が背後で動いている。それはIQ180の科学者でも読めない。
基本的には自然災害の一種と言える。人の論理では先を読めない。あのスーパーコンピューターの富岳だって自然を読めないだろう。もし富岳が自然を読めたなら、それは神である。人の持つ無数の知識で作り上げられた“人工神”に過ぎないが。
今回流行しているコロナ。
ウイルスが発見された後、既に人に感染して大流行を起こす変異株が多く発生している:スペイン、英国、南アフリカ、ブラジル他。
コロナウイルスは元々、コウモリが自然宿主となって周辺に感染させていたと考えられる。あのSARSもMERSもコロナウイルスだ。ほかに人に感染するコロナウイルスに限定すると四種類いるが、皆先祖達はどんな活躍をしたかは知らないが、今は単なる感冒ウイルスだ。
現在流行している新型コロウイルス(SARS-CoV-2)は、武漢の海鮮市場から発生したと中国は発表したが、真実ではなかった。12月にそこで感染者が出たと言うが、それ以前に武漢で既に新型コロナ感染者が出ていたという証言がある。
とりあえず真相は未だ分かっていないとしよう。しかしその周辺が発生源であったことは間違いはないようである。
米国のトランプ大統領は、武漢大学の側にあるウイルス研究センターから実験操作中のウイルスが漏れたと主張している。世界的に誇れる先進的規模の研究センターのようだ。さもありなん、と筆者は思う。
筆者も2019年末の最初の発生報告の時に、トランプ大統領と同じように考えていたのだ。
生物兵器作成過程で、漏れ出したウイルスだ。誰もその証拠を見いだすことは難しい。しかし現時点では、トランプ政権はその証拠を握っていると発表している。それが間違いなければ、大変なことになるのだが、中国はいつものように、“それはでっち上げ”だと言って、逆に米国を非難している。
しかしだ。なぜか中国は早期から大量のワクチン作製を開始していたのである。
あたかも新型コロナが世界中に蔓延することを予想していたかのように迅速な行動だった。
怪しいとしか、今は言いようがない。しかし中国が、世界初のワクチンを、大量に作製したのは事実である。もちろん同国はそうしたことを簡単にやってのけるだけの高い技術は既に持っている。
そして、それをアフリカの途上国に運ぶためのワクチンシルクロードの図面は、既に出来ていたのである。
現在、大量のワクチンを多くの途上国に提供して、中国は彼らの友好国化を図っている。
また多額の資金を提供し、それらの国の近代化のためのインフラ整備を指導している。中国資本による近代的ビルや工場が、失われた密林の中に突然姿を現す、異様な光景。彼らは中国からの膨大な借金で、中国の21世紀方式植民地政策の中にとりこまれているのである。
中国のワクチンは、あまりにも急いで作られたから、非常に粗雑なワクチンとなっている。なんと、製造ワククチンの臨床試験は行われていないのだ。
自国で多くのワクチンを作製しているが、海外、それも途上国に分与に近い形で提供したワクチンは、臨床試験を行っていないのだ。臨床試験を行っているものは自国民用のワクチンと先進国に有料で提供するものだけのようだ。
自分たちが提供を受けているワクチンは、臨床試験前のワクチンであることを知ったインドネシアなどの人々の間では、ワクチン接種を拒否する例が増えていると言う。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は頻繁に変異する。小さな変異であれば構わないが、遺伝子レベルで10箇所以上の変異も珍しくないようだ。
次々と変異してその感染者数を増やしてゆく様は、日本の戦国時代の城取合戦を思い起こす。
現在は英国の変異株が欧州から米国、そして日本を勢力下におき始めているが、その前はスペイン変異株が欧州に広がっていた。
しかし、変異株は南アフリカでも発生し、それも南アフリカら飛び出して欧州、アメリカ大陸、さらに日本まで侵入してきている。
新型コロナの変異株は怖い。最近ブラジルのリオでも発生し、既に海外で広がりだし、日本の検疫でも見つかっている。
新型コロナウイルスの発生源に関しては、現在武漢入りしているWHOの専門家達が明らかにしてくれるかも知れない。しかし難しい作業の様だ。中国当局は武漢の研究所の内部を見せるとは思えない。そしてそこで保存しているコウモリから分離した各種のウイルスをWHOに提出するとは思えない。
WHOは当初中国と懇意であった。中国のコロナ対策を褒めていたくらいだ。しかし今、中国はWHOに対して視察内容の多くを拒否しているようだ。WHOは中国に舐められてしまっている。もっとも中国は国連すら舐めている。国連の言うことには従わない。
これは覚えておくベきだろう。兵器の中で最も危険で、もっとも安価なのは生物化学兵器である。だからどこの国にも生物化学兵器研究部門が防衛部門に付属して存在している。中には医学研究と融合して存在している場合もある。ロシアなどはそうである。歴史が長く、人の病気の研究をしているものやら、暗殺用の強力な毒薬を開発しているものやら、危険がいっぱいの領域である。
ウエブでの日記は昨年1年間で膨大な量になっている。A4用紙5千枚は超す分量だろうか。作製した当方も中から重要な事件を探し出すのにうんざりするほどだ。
参考までにアドレスを紹介しておくので、閑な時にでも目を通していただけたら幸いである。勝手な発想で書きまくっているので驚かれるかも知れないが、これまで7割は予想が当たっていた。
【参照】筆者の日記はこちら☞ 徒然日記
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外岡立人(医学博士・前小樽市保健所長)
◇◇外岡立人氏の掲載済コラム◇◇
◆「鳥の歌」【2020.9.29掲載】
◆「新型コロナ 続々報」【2020年5月26日掲載】
◆「新型コロナ 続報」【2020年4月14日掲載】
◆「新型コロナ、パンデミック前夜」【2020年1月28日掲載】
☞それ以前のコラムはこちらから