自由な立場で意見表明を
先見創意の会

医療百論2025

混迷を深める日本と世界、いまこそ英知を集めて
リーダーシップの空白により世界は混迷を極めている。
「アメリカ・ファースト」を提唱するトランプ大統領の誕生によって、深まる世界の分断。
日本国内では超高齢社会突入による“2025年問題”、赤字国債の増加、物価上昇と問題が山積している。
医療・介護、経済、社会全体はどう変わるのか、対策はあるのか。
総勢20名のコラムニストによる63本のコラムを一斉掲載。
はじめに

先見創意の会は、医療関係者や医療に関心のある一般の方々が個人として自由な立場で情報の交換、相互啓発、意見表明を行う場を提供することを主たる目的として2006年に発足しました。このようなコラムサイトが20年もの間継続出来た事は一重に皆様のご支援の賜物と考えます。内容は医療・福祉・介護が中心ではありますがコラムニストの方々の素晴らしい投稿により世の中のトレンド、経済状況、政治状況もタイムリーのお届け出来ていると自負しています。

様々な情報を提供とするとともに、コラムニストや会員の皆様から頂いた貴重なご意見やご提案をホームページ上に掲載してきました。会員数やアクセス件数も増加し、本会の役割も認知されるようになったことを喜ばしく思っております。
約20年の継続は正に「継続は力なり」を実感しております。

2024年もまさに激動の1年だったと思います。気候変動、天災、世界情勢は目まぐるしく変動しました。特に世界の人口の半数以上が係わった選挙の年でもありました。
その中でもトランプ大統領の再選は衝撃的なインパクトを世界中に与えました。その衝撃は2025年1月トランプ大統領の就任により現実のものとなりました。
西洋的価値感、多様性・相互理解・人道主義が否定され、過去の歴史的評価も180度転換し、社会的不安の増大とともにポピリズムが横行し少数弱者が切り捨てられようとしています。
気候温暖化による洪水・干ばつ・高潮・大雪等により農林水産物の価格は高騰し貧困層のエンゲル係数は上がり続けています。 またウクライナ紛争開始前はグローバリズムの恩恵を世界中が享受していましたが安い食料・エネルギーが簡単に手に入る時代は終わりました。経済のブロック化が進み食料・エネルギー価格も高騰し物価上昇は留まる事を知りません。
米国のパリ協定・WHOからの離脱は今後運営の資金面も含め大きな困難に遭遇する事になると思われます。
現在も食糧危機・大規模な森林火災による森林の喪失により『負のスパイラス』に陥っています。
中東ガザの窮状は目を覆うばかりです。イスラエルとの一時的休戦協定もいつ破棄されるかもしれず、トランプ大統領の住民を全く無視した復興計画には唖然とするばかりです。
報道等で目にするガザの現状は子供・女性・高齢者等の弱者に特に著しく日常の衛生面・医療サービスは崩壊状態に瀕しています。
国内に目を向けると新型コロナウィルスがある程度終息したとの判断により、感染症分類が2類から5類に緩和されましたが、一向に終息の兆しが見られません。
3年間流行がほとんど見られなかったインフルエンザが、インバウンドの増加も相まって大流行しました。
戦略性が全く見えない少子・高齢化対策により国民の不安が増す中、政治資金の裏金問題が噴出し政治不信が益々増す事態となりました。
その結果総選挙により自民・公明が過半集割れし今までと違った予算作成経過を辿りましたが、個々の政党の党利党略が優先し真に国民の為の予算が作成されたとは到底考えられません。
その中でも高額療養費の補助金制度の改悪は強行突破を図ろうとしましたが、野党のみならず参議院選挙を控えた身内の自民からも反発を受け一時凍結となりました。しかし、あくまで凍結で今後の改悪も危惧されます。温暖化に拠ると思われる近年ない大雪、その反対の乾燥に拠る森林の大規模火災は過疎の街々を襲い深刻さを増しています。

このような時代だからこそ、医療・福祉の重要性が一層増している事を痛感させられています。こんな状況の中、当会の活動が、困難に立ち向かう皆様の知恵の一となることを切に願っております。

今後とも、当会の目的を忘れることなくホームページのコンテンツの充実を図り、会員同士の情報交換、相互啓発や意見表明の場として発展するよう尽力する所存です。 何卒よろしくお願い申し上げます。

最後に会の運営を支えて頂いているコラムニストの方々、そして事務局の方々に深謝いたします。

2025年3月末日

一般社団法人 先見創意の会
代表理事  斎藤 達也

目次
おわりに

包括的支援を要する85歳以上高齢者の増加に対応すべく、医療・介護・生活支援・予防・住まいから成る「高齢者向け地域包括ケアシステム」の構築が現在進められています。また、同システムを構成する各要素の機能強化を図るために、在宅医療・介護連携推進事業や生活支援体制整備事業などの各種事業が導入されるとともに、市町村、地区医師会、社会福祉協議会などが連携・協働しながら、効果的に事業を展開することも求められています。
他方、障害者も、生活困窮者も、子ども・子育て家庭も、高齢者同様、包括的支援を必要としています。そこで、全世代を対象とした包括的支援体制を、市町村単位で構築していく動きが拡がっています。これが地域共生社会の実現に向けた動きです。
ここで、医療的ケア児・家庭を支援する場合で考えてみましょう。病院やかかりつけ医による医学的管理、看護やケアの提供などは必要ですが、それ以外に、自宅や学校での生活場面での支援も必要になります。市町村の担当課(障害部門、子ども部門)の関わりも必要になります。要するに、医療・介護・生活支援・家族支援・学校での療養支援などの包括的支援が必要になるのです。
このように、医療職には、他の職種だけでなく、視点・価値観などが全く異なる市町村、これまで接する機会が少なかった多様な主体(学校関係者・自治会・民生委員・NPO法人・民間企業など)との連携も、場合によって必要になるのです。これは社会的処方に関連する話です。
医療百論は、医療に関するテーマだけでなく、関連領域のテーマ(法律・介護など)や医療や地域社会を取り巻く環境に関するテーマ(政治・経済、社会など)などを総合的に論じたものです。『医療百論2025』が、社会や地域のなかでの医療の位置づけ、医療職が果たすべき役割や求められる機能を再考するための一助となれば幸いです。
最後にコラムを執筆して頂いている先生方と事務局に深謝いたします。

2025年3月末日

一般社団法人 先見創意の会
副代表 川越 雅弘