平成16年11月22日
規制改革・民間開放推進会議
議長 宮内 義彦 殿
東京大学医学部附属病院長
永井 良三
京都大学医学部附属病院長
田中 紘一
大阪大学医学部附属病院長
荻原 俊男
(公印省略)
医療保険制度等の規制緩和に関する要望
現在政府におかれては医療分野の規制緩和に関する検討が進められており、大きな社会的関心を集めております。
私共3大学病院は、先端医療や高次医療の開発と実践において、わが国の先導的役割を果たして参りました。これらの医療は、個々の患者に最適な医療を提供するために必須であり、現在、健康保険や特定療養費制度等が部分的に適用されています。しかしながら、特定療養費制度の適用認定には長期間を要し、また、医療技術の進歩が遅れがちになるという問題もあります。さらには、健康保険が適用された場合でも、保険上の制約が多く、必要な人的・物的資源をまかなう経費が必ずしも保証されてないのが実情です。
このようにわが国の先端医療や高次医療は困難な状況に陥っており、このままでは国民の生命と健康への影響が懸念されます。国民皆保険制度のもとでは、あらゆる医療が健康保険によって給付されるのが理想ですが、保険財源に限界がある以上、これらの医療を維持するためには、現行の健康保険と自己負担を組み合わせた新たな制度設計が必要と考えられます。新たな制度がない場合には、必要な高次医療の一部負担は認められず、全医療費が自己負担となります。
自己負担のありかたについては慎重な検討が必要ですが、国民の生命を守り、患者の選択権に基づく医療が少なくとも特定機能病院において推進されるために、別紙に示すような特定療養制度の抜本的改革を含む規制緩和を要望いたします。
何卒ご検討を賜りたく存じます。
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