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福島県の産婦人科医師逮捕について |
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北海道在住 江原 朗 |
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私は、小児科医にて産婦人科医ではないのですが、福島県の産婦人科医師の逮捕の事件(注1)はおかしいと思います。癒着胎盤は手術前に予知可能でしょうか。また、胎盤をはがしていくうちに、出血が止まらず、どうすることもできずに死んでしまったのが実情ではないでしょうか。新聞記事では、未熟な医師が手術を行い、死亡させたとありますが、9年のキャリアがある医師が未熟でしょうか。癒着胎盤はまれな疾患と思われますが、レアケースでも経験がないとのことで弾劾されるものなのでしょうか。
一人医長で診療を行う施設が多い地方で、大都会と同じ医療を行うことは不可能です。福島県では、他の県立病院の医師がおびえて手術をためらう事象も生じているとネットでは報じられています。不可抗力による医療事故死を許さない社会では、医療という不確定要素を残した措置はできないと思います。今後、地方での医療は崩壊していくことでしょう。民事による損害賠償はあり得ても、警察が業務上過失致死で逮捕するのはおかしいと思います。
今後、医師が萎縮医療、あるいは、防衛医療(裁判で負けないようなアリバイを多く取る弁解医療)を行なうケースが増えるのではないかと懸念します。
(注1)
福島県大熊町にある県立大野病院(作山洋三院長)で2004年12月、帝王切開手術を受けた女性が大量出血して死亡した事故。県警は今年2月18日、同病院の医師を業務上過失致死と医師法(異状死体等の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。 |
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