先見創意の会 (株)日本医療総合研究所 経営相談
MENU
オピニオン
最新のオピニオン
今月のオピニオンのバックナンバー
過去に掲載されたオピニオンはこちらです。
 会員の皆様方の投稿を随時募集しております。詳細はページ末尾をご覧下さい。>>>
(掲載日 2007.05.04)
医師等の有効求人倍率は6倍弱:過酷な勤務形態では勤務医は逃散する。
投稿者  北海道在住 江原 朗
 平成19年3月の一般職業紹介状況をみると、有効求人倍率(パートを含む)は1.06倍である。景気が回復してきたとはいえ、1人の求職者に対して、1社が応じるだけである。

 一方、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師合計の有効求人倍率(パートを含む)は5.79倍となっている。また、保健師、助産師、看護師の合計では2.35倍、事務的職業では、0.42倍である(厚生労働省:一般職業紹介状況>>)。

 公立病院では、赤字解消のためや住民サービスのために24時間365日の救急医療が求められることが多い。このため、多くの勤務医が疲弊した。彼らは、やがて開業や民間病院への転職により、地域の病院から去った。

 病院の経営をめぐって、医師と病院事務方が争ったら、どうなるのか。

 結果は明らかである。医師の大量退職により、地域医療が崩壊するのである。事務方では1人に対して0.42件しか求人がないのに対し、1人の医師に対して5件以上の求職がある。医師はいつでも辞められる。

 もちろん、職安を介さない就労が医師には多く、国の統計が正確な値を示していない可能性も高い。しかし、今日、医師不足が政治問題化することからみても、求職者を大きく上回る医師の求人があることは確かである。

 医療者の労働環境を無視して、住民サービスを提供することは不可能である。適切な労務管理が行われなければならない。
javascriptの使用をonにしてリロードしてください。
(C)2005-2006 shin-senken-soui no kai all rights reserved.