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「先見創意の会」会員の皆様、そして会員以外でこのホームページをご覧になっている皆様、あけましておめでとうございます。 爽やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
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■新年のご挨拶―新しい年を迎えて
「先見創意の会」会員の皆様、そして会員以外でこのホームページをご覧になっている皆様、明けましておめでとう御座います。
「先見創意の会」も新しく生まれ変わって6年が過ぎ、ホームページを開設して7年目を迎えました。 ホームページの内容は多彩なコラムニストの皆さんのお陰で毎週
一回の更新も順調に推移しています。コラムを中心にまとめた「医療百論」も第5号を発刊するための準備を進めています。
毎年、新しい年を迎えて何か希望が見える社会を期待していますが、残念ながら中長期的な戦略のない政策運営は政権交代後でも続いており、閉塞感は相変わらずの状況です。
マニフェスト選挙とマスコミが騒いだ結果、選挙民は「自民党の不甲斐無さ」と「民主党の甘く美味しい餌」のために政権交代を実現させました。選挙公約となったマニフェストの全てを受け入れて投票したのではないはずですが、マニフェストに拘った政策実現に固執している新政権はあたかもマニフェスト原理主義者のように感じられます。グローバルな社会構造にあっては、半年といわず社会情勢や経済情勢が変化しているにも拘らず原理主義を貫き通す意味があるのでしょうか?マニフェスト政策の転換が全て悪と考えるような停滞した社会・経済状況ではないと思います。
医療分野においては「医療崩壊」が進行して現状の認識が一部の議員にしか浸透していないためか、将来像を示すようなグランドデザインは提示されず「ちまちま」した各論の議論に留まっているように感じられます。
医療の現場で働く我々は、「やりがいのある」、「志が受け入れられる」、「余裕のある」医療を望んでいるだけで「賃上げ交渉」のような議論を期待しているわけではありません。
町医者も勤務医にも共通していえるのは、十分な診療時間、十分な学習時間、十分な臨床研究時間が確保できるような医療制度や医療保険制度を望んでいることを、政策決定者に理解してもらう必要があります。 経済人や学識経験者から指摘された「医療には無駄が多い」、そのために医療の効率化が求められるとの掛け声で、ハードとソフト面の本来必要な「ゆとり」が無くなってしまった結果が、今日の「医療崩壊」を招いている重要な側面である事を忘れてはなりません。
高齢化率が60%を越えるような過疎地や限界集落の増加、30−40年前に大規模に造成された団地における医療需要の変化、24時間を通じた勤務時間や労働時間、出生率・小児人口の減少、核家族化の進展、地方財政の圧縮に伴う公的医療機関の機能・規模縮小等もそれぞれ現在の医療崩壊の一因として考えられます。 「もぐら叩き」みたいな個別対応策では問題の解決は不可能です。
これらの問題は、突然発生したものではなく、将来予測が十分に機能していれば予め対策を立てることが可能な課題であった筈で、国と共に地方自治体における政策立案者の「無作為の結果」とも言えます。
新しい年を迎えて、15年、20年先の「包括的」で「夢のある」医療のグランドデザインを描いて貰いたいものです。
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