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東京・赤坂の寿司店主が食に関連する、ちょっとした豆知識を語ります。
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桜
桜の時季ですね。
花ってのは、いろんな種類がありますが、日本といえば代表的なのは桜。菊もそうかもしれませんが、やはり、桜が代表じゃないでしょうか。
花ってのは、咲くときと散るときとで、それぞれに言葉があるんですよ。
桜なら、「咲く」と「散る」
椿は、「開く」と「落ちる」
梅なんて、「ほころぶ」と「こぼれる」ですよ。良いと思いませんか。
これを聞いただけでも心が和みませんか。いいですよね。
私も感動しました。日本っていいな、って、そう思います。
でも、問題がひとつ。牡丹は散るときには「くずれる」と言うんですが、色々調べたんですけれど、咲くときの言葉がないんですよ。どなたか良い言葉をご存知じゃないでしょうか。ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非、ご一報いただけませんか。
桜に話を戻しましょう。和食では、器は季節のものを使うのが基本とされていますよね。例えば梅の柄のついた器を夏に出したりしたらおかしいじゃないですか。ひまわりの柄がある器を真冬に出すなんて、おかしいですよね。やはり、その時季、その時季をちゃんと考えて器を使わなければならないところでしょう。
でも、その中で例外があるんです。それが桜なんです。
桜ってのは世界中どこかで一年中咲いているのだそうです。たとえば、南洋桜なんかは、だいたい春の終わりから夏にかけての二〜三ヶ月という長い間、咲いているものなんです。それひとつとってみても、そうですが、桜ってのはどこかで必ず咲いているので、桜の柄だけは一年中使って良いと言われているんです。
ですから、どこかの料理屋さんに行って、桜の柄の器でも焼き物でも出てきたとしますよね。そういとき、「ええ、何これ、桜の時季じゃないのに」って思ったら、まだまだ、勉強不足ですよ。
一年中使って良い柄をもうひとつお教えしましょう。そのもうひとつは、とんぼなんです。
とんぼってのは、なんとなく夏から秋の季節を表すイメージありますでしょう。ところが昔からの言い伝えで「幸せを運んでくる昆虫」とも言われていて、その意味付けから、とんぼの柄は一年中使っても構わないものなんだそうです。
ですから、一年中使っていいのは、桜ととんぼ。松とかひまわりとか、牡丹、椿、すすき――そのほかのいろんな柄は、適切な時季に使わないとおかしい、ということです。
ついでに、スミレの花の話をしましょう。
語源が何か知っていますか。大工は昔、木や石に直線を引くときに墨糸を用いる墨壺(すみつぼ)を使ってたんです。その墨壺を昔、「墨入れ(すみいれ)」と呼んでいたんですね。その「すみいれ」の形が、すみれの花びらにそっくりなんです。そこから、「すみいれ」がスミレになったそうなんですよ。
掲載日:2006年03月31日
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