わが国最大・最強のロビイ団体はどこか。もちろん医師会ではない。歯科医師会でもない。日本経団連を始めとする経済団体でもない。正解は官僚組織である。
一度議員会館を訪ねられると良い。どの部屋にも官僚が訪れない日はない。それも1人や2人ではない。議員の中には議員会館の外にも事務所を持っている大物議員がいる。そこには、もっと多くの官僚が入り浸っている。数十万人を擁する官僚組織からすると、700人強でしかない。国会議員をマンパワー的に囲い込むことなど朝飯前である。
ロビイングの資金はどうしているのであろうか。それは官僚が握る予算執行権である。一般会計だけではない。特別会計という深い懐がある。一般会計と特別会計を合わせると230兆円を超える予算執行の規模である。この資金は、国民の懐から出ている。官僚の懐は一般国民以上に痛む訳ではない。人の金の230兆円を巧妙に使いながら、大量のロビイストを動員して議員を誘導する仕組みになっている。
では、彼らのロビイングの目的は何か。官僚組織の防衛と拡大である。目的達成の手段は生涯保障である。そのために、天下りネットワークの強化に狂奔し、年金も特別扱いにする。
では、この構造は変えられるのか。残念ながら無理である。何故ならば、このような構造を断ち切るべき役割の民主党の最大支持基盤が官僚組織の労働組合だからである。この皮肉がわかってきたので、国民は失笑しているのである。
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