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東京・赤坂の寿司店主が食に関連する、ちょっとした豆知識を語ります。
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旬
よく「今は何が旬ですか」っていうでしょう。そして、「今なら、ウニがおいしい」とか、「牡蠣が旬です」なんて返事をしたりして。
その「旬」ってのはどういう意味なんだというお話をしましょう。
それはですね、筍からきてるんです。だいたい文字からして、たけかんむりに「旬」って書きますでしょう。
そう、旬の語源は筍なんです。筍ってのは、土からちょっと出てきたと思ったら、一日で、あっという間に大きくなるものなんです。地上に出たら一週間ぐらいで竹になってしまって、もう食べられなくなるわけですよ。それぐらい、筍ってのは成長が速いんです。
ですから、筍を本当においしく食べられる時季ってのは、一年の中で一週間がいいとこなんですよね。それが「旬」ってことなんです。旬、旬っていって、一ヶ月も二ヶ月も出してるようじゃだめ、ってことです。
一週間以内に食べられる、そういう食材を「旬の食材」っていうんですね。すべては筍からきてるんです。筍は旬のはじまりなんですよ。
旬ときたのでついでに「通」についてもお話しましょう。
「やあ、あいつは食通だから」なんて言いますでしょう。で、もちろん、「食は通う」と書いて「食通」ですよね。
「あいつはいろんなことを知ってる。あいつは通だよ」。もちろん、そういう意味もあるでしょう。
ですけれど、本当はですね、そのお店に何回も通ってくれている「常連」のことを「うちのお店の『通』です」っていう言い方をするのが本当なんです。食材知ってる云々、、、、っていうのも「通」って言うかもしれませんけれど、「通」って、本当は「常連さん」のことですよ。ですから、「食通」というのは、お店によって人が違うというわけです。
そうして通ってくださるお客さん方は、パソコン作業でも営業でも接待でも、ああ、疲れた、って思いながら、うちの店にきてくれるわけですよ。ですので、そういう疲れを少しでも癒せるような店造りを心がけたいですね。お客さんが店を出たときに、「よし、うまかった。明日もがんばるぞ」って思ってもらえるような、そんな店造りを目指しております。
掲載日:2006年04月07日
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