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医療メカトロニクスバックナンバー一覧へ >>
病院で何気なく目にする様々な医療機器、その仕組みや原理等を分かりやすく解説します。
(解説者:医師 北村 大也)
第4回
『CT(コンピュータ断層撮影)』
連載2 ― 「CTの進化」
(掲載日: 2007.05.18)
<< 連載1 「CTで体の輪切り像を見る」
1.CTの開発
1972年、英国EMI社の電子技術者であったハンスフィールド(G. N. Hounsfield)が初めてX線CT装置を開発しました。コンピュータで画像を再構成する方法は、1963年にアメリカの物理学者コーマック(A. M. Cormack)によって報告されていました。2人はこの功績により、1979年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
開発当初、1回のスキャン時間に4分かかっていたため、CTはあまり動きのない頭部を撮影するためのものでした。その後、スキャン時間が20秒ほどに短縮され、全身用CTが開発されました。現在使用されているCTのスキャン時間は1秒ほどです。
2.CTの進化
図4は、ハンスフィールドが開発したスキャン方法と現在の方法の違いを表した模式図です。
1つの断層画像を得るときのスキャン方法ですが、ハンスフィールドの方法ではペンシルビームという細い形状のX線を使用していたため1回のスキャンに2段階必要でした。X線1回の照射で短冊状にしかデータは得られないので、X線管球と検出器を直線状に移動させて全体のデータを得ます。そして、X線管球と検出器が対になって少し回転します。またその位置で直線状にスキャンする。これを繰り返して1周したら1回のスキャンは終わりです。
これに比べて現在、主に使用されているCTでは扇状にX線が広がっており(ファンビーム)、1回の照射で全体のデータが得られるため、照射させながら回転させれば1回のスキャンは終わってしまいます。
<POINT!>
※
奥行き方向の情報が重複して平面に投影されるX線写真に比べ、奥行きも再現するCTの登場により、画像診断は大きな転換を迎えた。
※
CTの開発当時は、X線を細いビーム(ペンシルビーム)にして照射するため、全体のデータを得るのに時間がかかった。現在は撮影時間を短くするため、扇状のビーム(ファンビーム)を用いている。
最近、ヘリカルCTとかマルチスライスCTとかといった名前をよく耳にするようになりました。いったいどんなものなのでしょうか?
最も重要な点は1回のスキャンによるデータの取得が2次元から3次元へ進化したことです。次回で詳しく説明しましょう。
連載3 「2次元画像から3次元画像」へ>>
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