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医療メカトロニクスバックナンバー一覧へ >>
病院で何気なく目にする様々な医療機器、その仕組みや原理等を分かりやすく解説します。
(解説者:医師 北村 大也)
第4回
『CT(コンピュータ断層撮影)』
連載3 ― 「2次元画像から3次元画像へ」
(掲載日: 2007.05.25)
<< 連載2 「CTの進化」
1.ヘリカルCT
ヘリカルCTは、1980年代後半から開発が進められ、今では主流となっている撮影方式です。以前のCTとヘリカルCTの違いについて、腹部全体(約40cm)のCT画像を撮影する場合を考えてみましょう。
以前のCTの撮影プロセスは、1回転して1枚の断層画像のデータを得る。次に、患者の体を1cmずらす。そして、また1回転して1枚の断層写真のデータを得る。これを40回繰り返して断続的な40枚の断層写真(40スライス分のデータ)を得ていました。
ヘリカルCTの場合は、回転し続けるX線管球と検出器の中を体が40cm移動します(図5)。
これにより、40cm分という広範囲の連続的なデータが収集できるようになりました。
断続的な2次元のデータを複数集める方式から、体軸方向への連続性を可能としたことで3次元のデータを集める方式に進化したわけです。当然、収集したデータのコンピュータ処理も複雑になりますが、より詳細な画像を再構成することが可能になりました。
2.マルチスライスCT(マルチスライスヘリカルCT)
この撮影方式も3次元化の流れの1つです。今まで検出器は体軸方向には1列しかありませんでしたが、これを複数列配置するというものです(図6−a、b)。
これにより1回転でより多くのデータを収集することができます。マルチスライスCTでヘリカルスキャンを行えば、従来のシングルスライスヘリカルスキャンより早く、そして詳細な画像を得ることが可能になります。
もちろん、スキャン時間短縮には画像再構成を行うコンピュータの進歩も忘れてはいけません。現在、腹部全体(肝臓から骨盤)約40cmの撮影で、臨床上十分な画像を得るのにわずか10秒程度しか必要としません。
<POINT!>
※
ファンビームの照射を連続させてらせん状に行うヘリカルCTにより、広範囲の断層画像を得られるようになった。
※
検出器を複数列配置したマルチスライスCTが登場し、得られるデータの量が増え、より鮮明な画像を作ることが可能になった。
次回は、未来のCTの話です。
連載4 「次世代CT」へ>>
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